「最強の経理実務Excel教本」ができるまで (前編)

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「最強の経理実務Excel教本」が発売になりました。僕にとって初めての出版だったのですが、完成までにはかなり時間がかかってしまいました。今回の経験を通じて感じたことや反省すべき点を、出版までの過程を振り返りながら書いてみます。

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きっかけは事務所のHPから (2016年5月19日)

プロフィールにも書いていますが、僕は公認会計士・税理士として仕事をさせてもらっています。”ぼーっ”としていても仕事の依頼はいただけないので、ご依頼をいただくお客様の窓口として事務所用のHPを用意しています。

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(事務所のHPです)

このHPでは、僕が提供している業務ごとにページを分けて、その内容を説明しているのですが、その中に「執筆」のページもあって、問い合わせフォームを設置しています。

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今回の出版のお話は、この「問い合わせフォーム」から連絡をいただいたところからスタートしました。「近日出荷」には、様々の職業の方にアクセスしていただいていますが、もし「執筆の仕事もやってみたい」と思っている方がいらっしゃれば、HPに「問い合わせフォーム」を用意しておくといいと思います。

本の企画が立ち上がった時、編集者の頭の中では著者の候補が複数挙がっているはずです。その中で、問い合わせの方法がすぐに分かる人と、そうでない人がいれば、(力量が同じであれば)前者の方に先に問い合わせをするのが人情でしょう。

そして、この「先に連絡をもらう」ことが大事で、そこからメールや打ち合わせを通じて、編集者が「この人ならいける」と確信を持てば、そのまま企画は進んでしまいますからね。もう1人の候補の方には声がかからなくなってしまうわけです。

僕の場合は、編集者の三浦さんが持っていた企画と、「近日出荷」で発信していたExcel記事の内容がうまくハマっていたようで、幸いにもHPの問い合わせフォームから声をかけていただくことになりました。

メールの履歴を調べてみると、最初に問い合わせをいただいたのが、2016年5月19日。このときにもらった問い合わせからすべてが始まりました。

初めての打ち合わせ (2016年5月25日)

最初の問い合わせをいただいてから、三浦さん(担当編集者の方です)と何度かメールでやりとりをさせていただき、企画趣旨の説明と執筆が可能かどうかの意思確認などを行い、お互いに「まぁ、何とか進められそうかな」という感触を得たところで実際に会うことになりました。

場所は選ばせてもらえたので、うちの近くにあるコワーキングスペースを指定させてもらいました。仕切られた個室の方が良かったのかもしれないですが、”しーん”とした環境で話すのが何か苦手なんですよね。間が持たないと言うか。で、そこそこ雑音がある環境でリラックスしながら話せる方がいいと考えてコワーキングスペースにしてもらいました。

顔を合わせる前は、「ここまで来て、企画が無くなるのはいやだなぁ」と思い、「ある程度相手の要望を受け入れるスタンスで行こうか」と弱気になりそうでしたが、「いや、自分の考えを曲げてまで本ができあがっても意味が無いだろう」とすぐに思い直して、「今日も強気で行くぞ!」と普段と変わらないスタンスで臨むことにしました。

打ち合わせの席では、当初の心配をよそに「これからどうやって進めていくか」と言う前向きな内容で話しが進みました。それまでメールで確認していた内容に加えて、既に発売されているExcel本を数冊取り上げながら、どの部分を参考にして、どこで違いを作るかなど、かなり突っ込んだ話しができたので、ボンヤリとですができあがる本のイメージは見えてきました。

そして、次のステップとして求められたのが目次案の作成です。

「企画趣旨を基に具体的に何を書くか、全体の構成を考えてくれ!」ってことですね。2週間後に目次案を提出することを確認して初回の打ち合わせは終了しました。

最大の難所だった目次案作成 (2016年5月26日〜8月3日)

初回打ち合わせの感触も良く、「さあ、良い本を作るぞ!」と意気込んで最初の作業に着手したのですが、後から振り返るとこの目次案の作成こそが最大の難所でした

ブログ記事を書くときもそうなのですが、「何を書くか」を決めるのに1番頭を悩ませますし、最も時間がかかります。

いくつかの案を思い浮かべながら、

・書く価値があるか

・自分の力で書ききれるか

・今まで書いたものと重ならないか(似通っていても違いが出せるか)

などを考慮して、OKが出せるものを選ぶことになりますが、そう言った内容のものは、簡単に見つけることはできません。書く才能がある方は、その辺のアイディアがぽんぽん見つかるんだと思うのですが、僕の場合はいつもメチャクチャ悩みますし苦しみます。

しかも、今回は単行本ですので、章によって書く内容を変えながらも全体として1つの方向性でまとめあげなければいけません。ただ書く内容を考えるだけでなく、章と章のつながりも意識しなければいけないので、本当にキツい作業になりました。

悩みに悩んだ結果仕上げた最初の目次案がコチラ。

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第1章から第4章までは、完成した本の目次とほとんど変わりません。この辺は自分の中でもイメージができていて、それを少しずつ整理することで比較的迷いなく決めることができたところです。

ところが、第5章と第6章は全然ダメでした。第1章から第4章はスムーズに決まって良かったのですが、一般的なExcel本でもよく扱われ内容でもあります。この本でオリジナリティを出すとしたら、それ以外の内容、つまり、第5、6章にこそ力を入れなければいけません。

にも関わらず中身の弱々しさときたら…(トホホ)。

2週間以上かけて苦しみながら作り上げた目次案でしたが、まだまだ不十分でした。2016年6月13日に三浦さんに提出しましたが、案の定再考を促される結果に。ポイントは第5章と第6章の練り直しでした。

ここからさらに、「経理実務で役に立つスキルであること」「経理の現場でそのまま使える資料を加えること」「他の書籍ではあまり扱わない知識も盛り込むこと」などを考慮しながら、第5章と第6章を改善していきました。

その結果出来上がったのがコチラ。

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ボリュームの違いを見てもらうだけで分かると思いますが、もう全然違う内容になりました(笑)。全体の構成を考えて第5章と第6章を入れ替えていますし、どちらの章も経理実務の実用書であることがハッキリと分かるように、実務の現場でよく使うスキルをできるだけ多く取り上げて、それが自然に身につくような流れになるようにしました。

最終の目次案が出来上がったのは2016年8月3日。目次案を考え始めてから完成までにかかった時間は2ヶ月以上ですから、キツかったですね。

ただ、目次案を再考する過程で少しずつ「この本がどんな本なのか」が分かってきたように感じられたのは大きな収穫です。

企画の採用が決定&仮契約を結ぶ  (2016年9月9日)

目次案が完成して本の概要ができあがりました。次は、この内容を基にして編集者の三浦さんが社内の会議で企画を提案することになります。

この段階でも、実はまだ正式に企画を進めるかどうかは決まってなかったんですね。もちろん、何の確証もなく進めていたわけではなく、編集部内でのOKは出ていましたし、三浦さんからは「おそらく大丈夫でしょう」と言う見通しは聞いていたのですが、多少不安はありましたね。

社内の会議に提案されたのが2016年の8月の半ばで、しばらく時間はかかりましたが、2016年9月9日に無事企画は採用され、正式に本の出版が決まりました(この知らせを聞いたときはホッとしました)。

出版が決まったこのタイミングで1つ僕の方からお願いしたことがあります。それは、契約書を交わすことです。出版業界では、正式な契約書を交わすのは実際に本が出版されてかららしいのですが、「途中で”やっぱりダメになりましたー”(てへ(・ω<)..)」とか言われたらシャレにならないので、「覚書でも良いので文書を作成して出版の約束があることを明らかにして下さい」とお願いしたんですね。すると、「正式な契約書は本が出来上がらないと作成できない部分があるので、仮契約の形で文書を作りましょう」ということになり、仮契約の契約書を取り交わすことになりました。

業界の慣行とは言え、これはかなりの驚きでした。信頼関係があるからこそなんでしょうけど、何も文書が残っていないと書いてる途中で「はい、この企画中止です!」って言われても、何も言い返せなくなると思うんですが…。作者の皆さんは平気なんですかね?

職業柄もあり、こう言った契約関係についての文書化については非常に敏感なので、柔軟に対処してもらえて良かったです。

サンプルの原稿を執筆  (2016年9月10日〜9月26日)

目次案が完成し、正式に企画がスタートしたところで、次に取りかかったのがサンプル原稿の執筆です。

原稿の試し書きですね。それを見ながら、言葉づかい、一行あたりの文字数、改行のルール、紙面の構成などを決めていきます。

サンプルに選んだのは、文章だけで構成される第1章のSec1と大量の画像が必要になる第6章のSec1。第1章のSec1は文章だけなので、あまり時間はかからなかったのですが、第6章Sec1は第6章の他のセクションにも影響を与える重要な部分だったことと、実際にファイルを作成しながら同時に画像も作成しなければいけなかったのでかなり時間がかかりました。

2つの原稿が完成して提出したのは、2016年の9月20日。約2週間かけて作成したことになります。特に書籍であることは意識せず、ブログ記事と同じ要領で作成していきましたが、それなりに時間がかかりました。

その後、サンプル原稿を見てもらい意見をもらったのですが、内容的には大きな問題はなくこのまま書いてくれればいいということでした。一方で、改行の仕方については問題が。

ブログの場合は、文字を詰めすぎると読みづらくなってしまうため、短い文章の区切りですぐに改行するようにしています(この段落もそうですね)。

ですが、書籍の場合はある程度文字を詰めておかないと、余白が多くなりすぎて反対に読みづらくなるとのこと。確かに、改行が多くて余白だらけのアイドルのポエムみたいな本って、読みづらいですし、「これで1,200円(税抜き)って、ふざけんな!!」って気持ちになりますよね。

なので、改行は頻繁に行わず、意味のまとまりができたところで改行(1行空ける)するようにしました。

一部注文はついたものの、全体としては良い感触を得たのでひと安心。「細かい表現のことで指示されるのはイヤだな」と思っていましたがそんなこともなくノビノビ書かせてもらえるようだったので良かったです。

停滞期 (2016年10月〜2017年2月)

サンプル原稿で手応えを感じ、「さあ本格的に書くぞ!」という流れになったのですが、ここから税務業務が忙しくなってきます。

年内は、「近日出荷」の運営方針を模索したりタカジムHPの記事の更新を増やすなど、主に情報発信に関する作業に追われて時間をとることができませんでした。

そして、年末以降は確定申告です。年内にご依頼をいただいていたお客様だけでなく、年が明けてからもご依頼をいただいていました。こうなると流石に執筆にまで手を回すことができません。1月、2月は確定申告の作業に集中することになりました。

そんなこんなで気づいてみると、サンプル原稿を提出してからほとんど手つかずのまま2月の中旬を迎えていました。原稿の締め切りは3月末。このままじゃ、まずすぎるぅぅ…(汗)。

本格的な執筆&初稿完成 (2017年2月15日〜4月2日)

「このままでは締め切りに間に合わない」と危機感を覚え、2月15日からようやく執筆に本腰を入れ始めます。

僕は重たい作業から先に終わらせる方が好きなので、最も時間がかかる第6章から始めることにしました。「サンプルファイルの作成あり」「作成したファイル同士の連携あり」「画像あり」と、とにかく手間のかかるところです。ただ、「ここをクリアすればあとはラク」と言うことが分かっていたので、とにかく時間がかかっても丁寧に仕上げることだけを考えて進めました。

作業は毎日深夜にまで及び、確定申告の仕事が終わってからは夜を明かすことも度々ありましたが、3月23日に何とか第6章を書き終えました。

3月23日ですと、3月末まで後がない感じですが先ほど触れたとおり、とにかく第6章が重すぎなんですね。逆に言うとそれ以外の章は意外と早く進めることができます。

3月28日には第5章が完成。3月30日に第4章、4月1日には第3章、4月2日には第1章と第2章がそれぞれ完成しました。これで、全ての原稿が仕上がったことになります。

厳密には4月2日までかかり、3月31日には間に合いませんでしたが、2017年は4月1日と4月2日が土日ですから、営業日としては4月3日が4月のスタートだったので、まあ、ギリギリ間に合ったと言うことにしてください。

こうして無事に締め切りまでに全ての原稿を仕上がりました。「ここまで来れば、あとは完成を待つだけ」と思っていたのですが、現実は甘くなかった。

原稿が仕上がったのはスタートに過ぎなかったのでした。

長くなりすぎたので、後編に続きます。

まとめ

書籍の執筆は最初の原稿が出来上がってからがスタートだ!!

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おまけ

「最強の経理実務Excel教本」のサンプルファイルのデータには、取引先として架空の会社名を使っているのですが、その会社名は執筆中に流していた動画(音声は消してます)から取ったものが多いです。「旅よかでしょう」「オフィスいろは」は、有名YouTubeチャンネルの「釣りよかでしょう」「釣りいろは」が元ネタです。他にも色々ありますが、どんな動画を見ながら執筆していたかを思い出すことができるので面白いです。


<釣りよかでしょう>


<釣りいろは>

<どうも、僕です>

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