積み上げ棒グラフで財務状況をつかむ 総資産利益率で投資効率を直感的に把握します

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積み上げ棒グラフは財務状況を視覚で把握するのに有効な道具です。作成の方法については以前にも記事にしましたが、今回は、財務状況をつかむためのグラフの見方を、具体的に確認します。

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決算書を積み上げ棒グラフにする時は、科目を集約して見やすくします

以前の記事で、折れ線グラフや、複合グラフなどのグラフ作成とともに積み上げ棒グラフの作成方法を紹介しました。

Excelのグラフ作成 BSを積み上げ棒グラフで表示して財務比率を直感的に掴みましょう

こちらの記事では、グラフの作成方法をメインにしたため、グラフの見方についてはほとんど触れられませんでした。今回は積み残しになっていたグラフの見方を中心に確認していきます。
早速、見ていきたいところですが、その前に、前回触れられなかった作成上の注意点をおさえておきます。

決算書をそのまま積み上げ棒グラフにしてしまうと、1つ1つの項目が小さすぎて見づらくなります。せっかくグラフにするのに、見づらくなっては意味がありません。
そこで、科目を集約してみやすくします。


ルールは2つだけ

1.流動項目と固定項目は混ぜない

2.全体に占める割合が大きい科目5つ程度を独立させて、それ以外は「その他」にする。

この2点です。
具体的に見てみましょう。まずは、こちらの決算書データをご覧下さい。これを集約してみます。

スクリーンショット 2014 12 02 8 59 11

赤枠で囲った科目を集約していきます。

スクリーンショット 2014 12 02 8 57 36

ごちゃごちゃしてますね。集約後の決算書を単独で。

スクリーンショット 2014 12 02 9 02 15

ポイントは、小さい科目は「その他」でまとめる、注目したい科目を独立させる、くらいでしょうか。何を独立させて表示するかは会社により異なります。重視すべきポイントは業態や各会社によって違うからです。


厳密に考える癖がついている方は、分析の正確性を考えて、科目の集約に躊躇するかもしれませんが、そもそも、直感的に把握することを目的としていますので、まずは大ぐくりにして重要なポイントが分かれば良いとわりきっています。
さらに詳細な分析が必要と感じた時は、そこから具体的な数値を見て確認すれば良いでしょう。

財務状況は増減だけでなく、効率でも考える

以上で準備が整いました。財務状況を見ていきましょう。
まずは多くのクライアントの興味がある「売上」から確認してみることにします。

売上

スクリーンショット 2014 12 02 9 26 04

データは単独で見ても意味がありません。比較することで意味が出てきます。
基本になるのは前期からの比較。これだけでも十分な意味を持ちます。


売上についてですが、増加していればOKという判断もできるかもしれませんが、それではダメです。
会社の目的は利益を追求することですから、どれだけの元手を使ってどれだけの利益が残ったのかの視点がないと意味がないのです。 

売上ー経費=利益

利益の式を思い浮かべていただければ売上は利益を構成する一部分に過ぎないことが分かります。重要なのは利益なのです。


それを踏まえて、利益を比較します。

経常利益


スクリーンショット 2014 12 02 9 36 04


ここでは、一般的な収益性の指標になる経常利益を比較しています。売上と同様、経常利益もやはり減少しているようです。
ですが、これでもまだ不十分です。
この利益がどれだけの元手で得られたものなのか。本当に重要なのはそこです。


簡単な例で考えてみます。
100円の利益を上げることを考えます。

1.50円の商品を1つ仕入れて150円で売る
2.90円の商品を10個仕入れて100円で10個売る

1と2、どちらが経営上好ましいでしょうか。
利益は同じ100円ですが、1の方が経営上は有利と言えます。
2の場合は、まず90円の商品を10個仕入れるので、最初に用意するお金が900円必要です。それが1であれば50円ですみます。
900円用意するのと50円用意するのでは、それにかかる労力や時間は違いますから、1のケースでは残りの労力や時間を別の機会に使って新しい利益を上げることができます。


つまり、同じ利益を上げるのでも元手が大きくなると、別に利益を上げられる機会を逃してしまい、その分損をすることになるのです。
経営上は金額だけでなく、「どれだけ小さいお金で利益を上げたか」、言い換えると「どれだけ効率よく利益を上げたか」が重要なのです。

総資産利益率


会社にとって利益を上げる元手になるのは資産です。
どれだけの資産を使って利益を上げたかが、大きなポイントになります。それを示す指標の一つが総資産利益率です。


総資産利益率=経常利益/総資産


上の式で表されますが、数字だけだとピンときません。
そこで、積み上げ棒グラフに意味が出てくるのです。
貸借対照表と経常利益を比較する形で積み上げ棒グラフを作ると直感的に財務状況の善し悪しがわかります。


スクリーンショット 2014 12 02 10 04 21


経常利益の比較のグラフからは全く違う姿が見えてきました。
各年度の経常利益をはほぼ変わらないのに、総資産はぐっと小さくなっているのが分かります。


さきほどの、元手と利益の関係で確認したとおり、同じ利益なら小さいな元手で稼いだ方が経営上は優れていますから、経常利益は減少していても経営状況は改善していると判断できるのです。


財務比率を視覚的にはっきり捉えられるのが、積み上げ棒グラフの良さです。項目の増減もよく分かります。
最後に総資産利益率の比較もグラフでおさえます。


スクリーンショット 2014 12 02 10 07 45


このように、単に数字を並べるだけでなく視覚的に伝えることで、現状の把握、今後の改善目標を直感的に理解することができます。

まとめ

現在の財務状況を把握することは、将来の経営や資金繰りの安心に繋がります。
数字だけでは頭に入りにくいので、グラフを使って視覚的に把握しましょう。実感を伴った記憶として残りやすくなります。
<おまけ>
良い天気ですね。走るしかない!

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