決算書を読む技術 特別損益でその年に起こった重要な出来事を把握する

損益計算書の区分の一つに特別損益があります。特別損益は損益計算書の終わりの方に記載されますが、それには理由があります

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決算書は重要性が高い方を先に記載します

まずば、損益計算書を見てみましょう。

 

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(出典:トヨタ自動車WEBサイト IRライブラリ 2014年3月期 有価証券報告書)

 
トヨタ自動車株式会社さんの有価証券報告書から、単体の損益計算書をお借りしました。

 
細かい部分を見る前に全体の構造を理解します。 
重要なのは順番です。

 
大きな項目を順に拾ってみると、

 

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このようになっています。

 
決算書の記載方法の重要なルールには、

 
重要な情報ほど先に記載する

 
というものがあり、損益計算書もこのルールに従って作られています。

 
・会社のメインの事業に関係するもの 
・継続的な取引から発生するもの
・金額が大きいもの

 
等の観点から重要性を判断して、重要性の高い順番に項目を並べて、記載しているのです。

 
具体的には、「売上高」は、メインの事業で獲得した経営活動の成果で、金額的にも大きいために最初に記載され、

 
「営業外収益」は、メインの事業以外の活動で得られた成果で、金額も小さいので後ろの方で記載される、といった具合です。

 
トヨタ自動車株式会社さんの損益計算書では、特別損益が出ていないので記載がありませんが、今回取り上げる特別損益が発生した場合、どの順番で記載されるかというと、

 

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営業外費用の後、税金関係の前、ですから、損益計算書の最後の方と言うことになります。

 
重要な情報ほど先に記載する

 
のルールからすると、特別損益は「重要じゃない」ために、後ろに来ているような思われてしまいますが、そうではありません。

 

 

特別損益は、その年に起こった特別な出来事から発生した、金額の大きな損益

損益計算書の後ろの方で出てくる特別損益ですが、重要性が低いために、後ろに来たわけではありません。

 
特別損益がどのような性質を持っているかを確認しておくと、

 
・その年に起こった特別な出来事によって発生した(毎年起こるようなことではない
 
金額の大きい利益or損失

 
ということになります。

 
その年に起こった特別な出来事でも、金額が大きくなければ、営業外損益として記載されますから、それだけでは、特別損益にはなりません。

 
・その年に起こった特別なできこと 
・金額が大きい

 
の両方が揃った時には、投資家をはじめとする決算書の利用者にとって、投資判断に影響を与えるような、「見逃してはいけない重要事項」になります。

 
そこで、損益計算書の中でも項目を別立てして、目立つように記載するのです。

 
つまり、特別損益を損益計算書の後ろに記載するのは、「毎期起こるようなことではない」という臨時的な性格と、 
重要性が高いために、決算書の利用者が見逃さないように目立たせる、という2つの理由によります。

 
それでは、どのような内容が記載されているか、実際に見てみましょう。

 

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いろいろ並んでいますね。 
分かりやすい項目を赤枠で囲んでみましたが、特別損益は内容が分かりやすい科目名で記載することになっているので、「そのままじゃないか!」という科目名が多いです。

 
「事業収束に伴うたな卸資産処分損」は、事業部をたたむことを判断をして、売れ残っている在庫を資産から外すために発生した損失です。

 
また、「早期割増退職金」は従業員を削減するために支払われる、リストラ費用のこと。

 
いずれも、会社の構造を大きく変える出来事から発生する損失で、金額も大きくなることから、特別損失として目立つように記載されています。

 
このように見てくると、特別損益の意味することがお分かりいただけると思います。

 
繰り返しになりますが、

 
・その年に起こった特別な出来事によって発生した(毎年起こるようなことではない
 
金額の大きい利益or損失
 

が特別損益です。

 
つまり、「その年起こった、重要な出来事」として、特別損益の記載を見る必要があるのです。

 
なお、上で見ていただいた特別損失は、ソニー株式会社さんの有価証券報告書(2013年度)の一部です。 
この特別損失を見るだけでも、ソニーさんがどのような方針で運営されているかが、分かるのではないでしょうか。

 

 

まとめ

特別損益は、その年起こった重要な出来事を知るために見逃してはいけない項目です。 
会社が認識している課題や今後の方針などが如実に分かる項目ですので、もし、記載されていたら、内容をしっかり確認しておきましょう。
 
<おまけ>
ゴールデンウィーク近辺のフェスが充実しすぎています。 
これからは、夏前にもフェスのピークが来るのかもしれませんね。

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