少ない予算のプロサッカークラブから得られる、経営のヒント

プロのサッカーでは、予算の大きさと強さが比例する関係があります。そんな、お金がモノを言う世界において、生き残ろうとする地方の小さなクラブからは、小さな会社を経営するヒントを得ることができます。

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プロのフットボールでは、収入の多いクラブが強くなります

プロフットボールの世界で、クラブの強さを決めるのは予算、有り体に言えば”お金”です。もう少し詳しく説明すると、他のクラブから選手を獲得するために支払う手数料である「移籍金」と、選手の「サラリー」にどれだけお金をかけられるかで、強さが決まります。

 
クラブの予算が何で決まるかというと、クラブの収入です。

 
プロのフットボールクラブは会社ですから、利益を追求するのが目的。 
利益を出すためには、収入を上回らないように経費を抑えなければいけません。

 
その経費の使い途と上限を決めているのが予算ですから、クラブの収入が予算の基準になるのです(ただし、将来の成長のために、収入を上回る規模の予算を組むことはあります)。

 
プロフットボールクラブの予算規模を決めてしまう、”収入”には、大きく分けて、次の3つあります。

 
1.入場料収入:チケット販売による収入

 
2.広告収入:ユニフォーム、スタジアム等に、会社名やロゴを掲出して、 
       広告することによる収入

 
3.放映権料:ゲームやクラブ関連番組の放映権を、販売することによる収入

 
この3つ以外に、クラブの収入の柱として、「リーグからの分配金」がありますが、その原資になのは、リーグに対して支払われる、「広告収入」や「放映権料」。

 
結局、リーグ全体が契約して分配を受けるか、クラブ単独で契約して直接収入を得るか、の違いしかなく、フットボールクラブの収入の裏付けとなる商品は、先述した3つが中心になります。

 
フットボールクラブは、この3つの収入を増やすために企業努力をしていますが、バラバラに伸びて行くものではなく、相互に影響を与え合いながら伸びて行きます。

 
広告は、掲出した広告を見る人が増えるほど、その価値が高くなり、高いお金を出してでも、広告を出そうとする人が現れます。 
つまり、テレビで試合を見る人が多くなるほど、チケットを買ってスタジアムに来る観客が多いほど、広告の価値は高まり、広告収入も増えていくことになります。

 
放映権料は、テレビを通じてゲームを見てくれる人が多くなるほど、放映権の価値は高くなり、高い値段で放映権が買われることで、増えていきます。つまり、そのクラブのファンが多くなり、「スタジアムは無理でも、TVでもいいから、そのクラブのゲームを見たい」という人が増えるほど、高い値段で放映権が買われ、クラブの放映権料による収入が増えていきます。

 
チケット収入は、もっとシンプルで、クラブの姿勢や、クラブがやっているゲームの面白さに魅力を感じて、「このクラブのゲームを見たい」「このクラブを応援したい」というファンが増えれば増えるほど、増えていきます。 

 
結局、クラブに関心を持つ人が多くなるほど、収入は増えていくことになるのですが、クラブの魅力は、そのクラブの近くにいる人ほど伝わりやすいので、このように、

 

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まずは、「スタジアムへ行って応援したい」というファンが増えて、 
それが波及するように、「TVでもいいから見たい」というファンの増加につながり、

 
ユニフォームや、スタジアムの広告を、見てくれるファンが増えることで、広告の価値が上がって、広告収入が増える、

 
という流れができます。

 
つまり、すべての始まりは、「チケット収入」であり、「『スタジアムに行きたい』というお客さんを増やすこと」にあることが分かります。

 

 

 

収入面で不利に立つ地方のクラブ

この点で、地方のクラブは不利です。 
企業努力でクラブへの興味や関心を持つ人の比率を高くすることに成功しても、そもそもの人口で大都市圏とは大きな差がありますから、ファンの絶対数で勝ることは難しいからです。

 
また、スポンサー収入にしても難しい面があります。 
順調に観客動員が増えて、広告の価値が高まったとしても、地方の会社は、数が少ない上に、小さな会社が多く、宣伝広告費の予算も小さいところが多いです。 
従って、スポンサーになってくれる可能性のある会社が少なく、1件あたりのスポンサー料も少額にならざるを得ないことから、広告収入の伸びはそこまで期待できないのです。

 
このような背景があり、地方のクラブは収入の少なさに苦しんでいます。結果、予算規模も小さくなり、戦力補強・維持に使えるお金がすくなく、地方のクラブは総じて戦力が低くなっています。

 
お金がモノを言う世界で、地方のクラブが戦いを挑むのは、本当にキツいことです。 
それでも何とか、生き残り、存在感を見せつけているクラブもあります。

 
そのようなクラブは、知恵を絞って、収入の少なさを別の面で補うことでクラブの力を高めています。

 

 

 

予算の小さなクラブの工夫 マーケティング戦略に基づく「クラブの方針」

小さなクラブが生き残る手段として、かつては、選手を育てて、その選手をより大きなクラブへ移籍させて、移籍金を得ることで収入を増やすことを、ビジネスモデルにしようとするクラブが多くありました。

 
現在も、このような方針で運営しているクラブもあると思いますが、それが上手くいっているかは疑問です。

 
潜在能力の高い選手には、プロに入る段階でたくさんのクラブからオファーがあり、高いサラリーが支払われていますし、 
そうでない選手を低いサラリーで獲得しても、順調に育って、他のクラブに移籍させられるかどうかは、予想できません。

 
つまり、移籍金を収入の柱にするには、リスクが大きく、それを予算に組みこんで経営するのは、クラブを不安定な状態に置くことになり、継続してクラブを大きくするのが難しいのです。

 
現在では移籍金による収入をあてにするのではなく(移籍金による収入はボーナスのように位置づけて)、別の方法で、クラブを強くしようとするクラブが増えています。

 
そこで重視されるのが、クラブの方針

 
誰が見ても良い選手というのは、先述の通り、最初から高いサラリーを支払われるので、小さなクラブには手が出ません。

 
ですが、現時点で欠点があり、一般的には「良い選手」と評価されていなくても、他の選手に負けない特徴を持った選手はいます。

 
その中で、クラブの戦術に合いそうな選手を絞れば、そこまで高いサラリーでなくても獲得することができます。

 
ここで重要なのは、”クラブの戦術に合う”と言うところ。

 
ただし、他のクラブと同じような戦術だと、競合するクラブが存在してサラリーが高騰してしまうので、「戦術に合う」だけではダメです。

 
クラブがとるべき戦術は、他のクラブとは違う個性があり、かつ、プレーする選手にとっても、見てくれるお客さんにとっても魅力的、という、難しい条件を満たすものでなければいけません。

 
これは、緻密なマーケティングから導き出した、明確なクラブの方針がなければ、生み出すことができないものです。

 
他のクラブを分析して、競合が少ないポジションを見つけ出すことで、他のクラブとは違う戦術の採用や、それに基づく選手の評価が可能になり、少ない予算で強いクラブになれる可能性を示しています。

 
このような、地方の小さなクラブの姿勢は、小さな会社を経営する上でのヒントが詰まっていて、ビジネスをサポートする役割を担うものとして、大いに参考になります。

 

 

 

まとめ

予算規模で不利な立場に立つフットボールクラブの工夫を知ることは、小さな会社が生き残るためのヒントを与えてくれます。 
特に、マーケットの中でのポジショニングは非常に参考になります。
 
<おまけ>
ここ数日で、睡眠のリズムが崩れてしまいました。
週末までに元に戻さないと、花見にいけなくなりそうです。

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