「あのラジオ局が消えた?」 2017年2月度首都圏ラジオ聴取率調査

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首都圏のラジオ局では、来週月曜から聴取率調査が始まりますが、昨年末以降のラジオ聴取率は最悪の状況にあります。

”さらっ”とまとめると

・2016年12月、2017年2月の首都圏ラジオ聴取率調査では、各局の聴取率を合計した全体聴取率が急激に落ち込んでいる

・2016年10月から2017年2月にかけての全体聴取率は、2017年2月トップのTBSラジオの聴取率分減少している

・2017年4月の聴取率調査は、全体聴取率の下落傾向を止められるかがポイントになる

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2017年2月の局別聴取率

局別聴取率です。

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(出典:TBSラジオ 公式HP)

TBSラジオが1位を獲得して、連続首位の記録を15年8ヶ月に伸ばしました。順位はJ-WAVEとニッポン放送が入れ替わって2位J-WAVE、3位ニッポン放送になりましたが、それ以外は大きな違いはありません。

ですが、問題は各局の聴取率を合計した全体聴取率です。

2016年10月、2016年12月、2017年2月の聴取率の推移を見てみると、

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(出典:TBSラジオ 公式HP)

2016年10月:4.6%

2016年12月:4.1%

2017年 2月:3.7%

このように、4%を大きく割り込み、2016年10月からは実に0.9%もの下落を記録しています。「0.9%」と言うと小さな数字のように感じるかもしれませんが、この数字は2017年2月の局別聴取率トップであるTBSラジオの聴取率と同じです。つまり、ラジオ業界はたった4ヶ月の間にTBSラジオ1局分の聴取率を失ったことになるのです。

こうなってくると、ラジオの、特に広告収入で成り立っている民放のラジオ局の存在意義が大きく問われることになります。もちろん、各ラジオ局は単独で経営を行っているわけではなく、テレビ局と同様にメディアグループの一員と位置づけられるため、その存続が問題になることはありませんが、

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グループ内での影響力は低下し、事業の縮小が検討されることは十分に考えられます。

これまでもラジオの衰退は叫ばれてきましたが、聴取率の下落、しかも、これまでに経験したことがないほどの急激な下落は、残酷なまでにその事実を浮き彫りにしてしまいました。ラジオ業界は今、危機的状況にあります。

聴取率合計を押し下げた原因

各局の影響

もう1度、局別の聴取率の推移を確認しておきます。

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これを見るとTBSラジオのインパクトが最も大きいことが分かります。-0.9%のうち-0.4%がTBSラジオによるもの。聴取率連続1位のイメージが強いため、TBSラジオには何となく好調なイメージがあるのですが、実際には大きく数字を落としています。

しかも、これまでの聴取率調査でTBSラジオは、聴取率1%を割ることはなかったのですが、ついに0.9%と1%割れを記録。これで首都圏のラジオ局には1%以上の聴取率を取れる局がなくなったことになります。これでは、どれだけ連続1位の記録が伸びても、とても「一人勝ち」などとは言えません。強者として君臨してきたTBSラジオの存在感は、一気に薄れてしまいました。

また、ニッポン放送、TOKYO FMは、ともに0.2%の下落。TBSラジオに比べれば小さいですが、2016年10月を基準にするとTBSラジオと同程度の下落率になるので、決して傷が浅かったわけではありません。さらに駄目押しのように文化放送も0.1%数字を落としています。

局別の影響はこのようになりましたが、では、何が原因でここまで聴取率が落ちてしまったかというと、3つのことが考えられます。

※注 番組別の聴取率は入手できていません。従って、以下の内容は
   主観に基づいた個人の見解になりますのでご注意下さい。

2016年4月の番組改編

1つは、2016年4月の番組改編の影響です。

「1年前の影響が今になって?」と不思議に思われるかもしれませんが、1つヒントになるできごとがあります。それはJ-WAVEの聴取率です。

J-WAVEは今でこそ0.7%と相対的に高い聴取率を獲得していますが、2016年6月には0.5%と、局別聴取率で全体の最下位にまで落ち込んでいました。この約1年前の2015年4月、J-WAVEで行われたのが、平日のワイド番組の改編。聴取率に最も大きく影響する午前のワイド番組と、その次に影響の大きい午後のワイド番組を同時に変更する、大幅な改編に踏み切ったのです。

それを踏まえて、今回聴取率を大幅に落とした局の改編状況を見てみると、

TBSラジオ2016年4月平日午前のワイド番組を変更
     (「大沢悠里のゆうゆうワイド」→「伊集院光とらじおと」「ジェーン・スー生活は踊る」)

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(出典:TBSラジオ 公式HP)

ニッポン放送2016年4月平日午後のワイド番組を変更
       (「大谷ノブ彦 キキマス!」→「土屋礼央 レオなるど」)

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(出典:ニッポン放送 公式HP)


       

TOKYO FM2016年4月平日午後のワイド番組を変更
      (「アポロン★」→「高橋みなみの これから、何する?」)

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(出典:TOKYO FM 公式HP)

このように、約1年前の同時期に平日のワイド番組を変更しています。
J-WAVEの改編と聴取率との関係を考慮すると、これらの変更後の番組の影響によって聴取率の下落を招いた可能性が高いのではないかと推測できます。

午後ワイド番組の不調

2つめが午後のワイド番組の不調です。

2017年2月聴取率調査で、午後のワイド番組で番組別聴取率トップ10に入っているのは、TBSラジオの「たまむすび」だけです。2016年6月までは文化放送の「大竹まこと ゴールデンラジオ」もトップ10の常連で、「たまむすび」としのぎを削っていたのですが、2015年8月以降は「大竹まこと ゴールデンラジオ」がトップ10に復帰することはなく、「たまむすび」のみがランク入りする状況が続いてきました。

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(出典:TBSラジオ 公式HP)

ですが、2016年12月にはその「たまむすび」もトップ10から外れる事態に。その後、トップ10に返り咲くのですが、これまでトップ10から外れたことのなかった「たまむすび」が圏外へ追いやられたという事実は、平日午後の聴取率が全体として下落していることを裏付けていると考える事ができます。

Radikoタイムフリー機能の導入

3つめはRadikoのタイムフリー機能の導入です。

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(出典:radiko.jp)

Radikoはネットからラジオを聞けるアプリですが、2016年10月からは過去1週間分の番組を聴くことができるタイムフリー機能がスタートしました。これがなぜ聴取率に影響するかというと、現在の聴取率調査では、リアルタイムで番組を聴いていた人の数を元に聴取率を算定することから、タイムフリーで番組を聴いた人は聴取率の算定から除外されてしまうからです。

タイムフリー機能はスタートしてそれほど時間が経っていないので、聴取率に与える影響は大きくないかもしれませんが、聴取率調査の対象者にRadikoで聞いている人が多く含まれる場合は、それなりに影響が出てくるはずです。

聴取率回復に向けての施策

番組の改編

今後聴取率回復に向けて何ができるかですが、最も重要なのは番組の改編です。

先ほどJ-WAVEの聴取率低下について触れましたが、その後、聴取率は元の水準に戻ってきています。その大きな原因は番組の改編にあります。最初は平日の夜、深夜の時間帯に手を入れ、それから週末のワイド番組。そして最後には、2015年4月に始まった平日の午前・午後のワイド番組をわずか2年で終わらせて新番組に変更したのです。このようにほとんどの時間帯に手を入れることによってJ-WAVEは見事に復活しました。

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(出典:J-WAVE 公式HP) 
 平日のワイド番組を2年で打ち切り新番組「good neighbors」をスタート。ナビゲーター界の至宝、
 クリス智子さんをアサインして盤石の体制を築いたJ-WAVE。今後が楽しみです。)

これは他局でも見習うことができるはずです。冷静にタイムテーブルを分析すると、不調のラジオ局には、明らかに実力不足のパーソナリティや局のカラーに合っていない番組があるのが分かります。一刻も早くそこに手をつけて新しい番組に切り替え、新しい体制で聴取率調査に臨めるようにすれば挽回は十分可能です。平日のワイド番組は短期間で変えないことが多いですが、現状はそんな余裕はないはずですから、局の裁量でできることはどんどんやっていくべきでしょう。

ラジオ業界全体でのプロモーション

2つめは、ラジオ業界全体でのプロモーションです。

個別の局で何かプロモーションを打っても、その影響は小さいです。
今ラジオを聞いていない人に対してラジオの存在を知ってもらうためには、ラジオの枠から出ていくようなプロモーションを仕掛けていくべきですから、ラジオ業界全体で資源を集中させてインパクトのあるプロモーションをやっていくべきでしょう。

動画の配信

3つめは動画の配信です。

ラジオは聞くメディアですが、パーソナリティの表情や着ている服、現場の雰囲気などが伝わると、より親近感が沸きます。何も特別な演出は必要なくて、ただスタジオの様子を流すだけで十分です。動画の配信はカメラとネット環境があれば可能ですから、今すぐにでもできるはずです。リスナーを引きつけるためにパーソナリティの姿を映像でも届けてほしい。

実際にスタジオの様子を流す番組は増えてきています。

聴取率調査の方法を変える

4つめは、聴取率調査の方法です。

聴取率は、タイムフリーでの聴取も含めて算定する方法に変えるべきです。Radikoで聴取する人は今後も増えるはずですから、タイムフリーのリスナーをカウントしないことはフェアではありません。

調査を担当しているビデオリサーチ社に対してラジオ業界全体で申し入れをすれば変更は難しくないと思いますので、早急に申し入れするべきでしょう。

他にもできることはたくさんあると思いますので、聴取率回復に向けてできることを積極的にやってもらいたいと思います。

番組別聴取率

最後に番組別聴取率を簡単に取り上げます。

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ポイントは、2位の「伊集院光とらじおと」です。

「伊集院光とらじおと」は、2016年4月の番組開始以来、番組別聴取率1位を連続で獲得してきましたが、ついにその記録がストップすることになりました。

TBSラジオの聴取率の落ち込みと足並みを揃えるように、順位を落としたことが気になります。データがないので正確には分かりませんが、「伊集院光とらじおと」はここ2回の聴取率調査でかなり数字を落としているのかもしれません。

とはいえ、番組が始まってからまだ1年足らず。
リスナーの入れ替わりが終わり、今後どれだけ新しいリスナーを獲得できるか。ここからの1年が踏ん張り所になりそうです。

まとめ

2017年2月の聴取率調査から、ラジオが深刻な危機に陥っていることが分かりました。来週からの調査では、全体の聴取率合計4%、TBSラジオの1%回復がかなうかどうかに注目です。

おまけ

radikoプレミアムで全国のラジオを聞いてるんですが、もう少し多様性があってもいいんじゃないかと。特にどの局も選曲があまり変わらないというのは、どうなんだろ。あれほどたくさんのラジオ局が選べるのに、聞きたいと思える番組がない時間も結構あるんだよな−。

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