経理効率化には、「行き過ぎないこと」を考えています

私の事務所では、税務、会計サービスの他に、経理効率化のコンサルティングも提供しています。その際に心がけているのは、「徹底的に効率化」ではなく、「無理のない効率化」です。

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会社を辞めた原因の一つは「経理効率化」

独立して税理士事務所を経営する前は、製造業の会社の経理部門で働いていました。

 
それまでは、監査法人で監査業務に就いていましたが、その後のキャリアを考えた時、「会計と税務の専門家として仕事を続けるなら、会社側で数字を扱う経験がないと話にならない」という考えに行き着いて、転職することにしたんです。

 
仕事については、新しい経験ばかりで、最初は大変でしたが、周りの方のサポートもあり、少しずつ慣れていきました(あの時はみんなありがとね)。

 
ただ、一つだけ苦手にしていたことが。

 
業績の評価です。

 
これは、監査法人にいるときからそうだったんですけど、どうにもこの評価システムに馴染めなくて、評価を意識したとたんに、気持ちは萎縮するし、仕事は苦痛になるしで。

 
意外に繊細な自分が、イヤになりましたけどね。

 
評価期間の最初に目標設定をして、期間が終了した時点で達成度を確認していきますが、もっともらしい目標設定も、よく分からない評価結果にも、気持ちの悪さを感じてました。

 
そして、何度目かの評価期間がスタートするとき。 
そんな調子ですから、目標をどうするか何も思いつかないまま、目標設定の面談に臨むわけですけど(従業員としてやっちゃダメなことですよ、もちろん)、何も決めないわけにもいかず、話の流れで言ってしまったんですよね。

 
「経理業務の効率化」

 
言った瞬間、気持ちが一気に冷めるのが分かりました。 
そんなこと全然思ってなかったんですよね。

 
その時の職場では、(その時点では)既に十分な業務効率化が達成されていると思ってましたし、実際、月次の決算が遅延するような問題もありませんでした。

 
それでも、経理部門の目標としては「経理業務の効率化」が挙げられたりしていたわけです。 
(で、その流れに乗って個人の目標にもしてしまったと)

 
これ、どういうことかというと、業績評価の宿命でもあるんですが、何か目に見えて測定できるものじゃないと、評価のしようがないという事情があって、 
目標には、目で見てすぐ理解できるようなことが選ばれてしまうんですね。

 
で、経理部門で目に見えて分かる業績が何になるかというと、

 
「新しいシステムを導入して、これだけ効率化できました」

 
というのがアピールしやすくて、ちょうどいいんです。 
経理部門も他の部門との競争にさらされていますから、評価されやすいものを選ぶわけです。

 
で、経理部全体がそんな流れになっていくのですが、これ以上効率化するとなると、

 
業務フローや場合によっては、作業の動作やファイル操作など、一つ一つを見直して、改善できるポイントを見つけて、最も効率的な方法が何かを検討して、マニュアルを作り、それに従って作業するようにトレーニングする、

 
といった、かなり細かいところに突っ込んで、厳しい作業を強いることになっていきます。

 
こう言った姿勢も、確かに必要ではありますが、効率化の程度は、逆説的ですが、効率化が進めば進むほど小さくなっていきます。

 
同じ時間と作業量で効率化できる程度は、 
全体の80%まで効率化が進んでいる場合よりも、未だ20%しか効率化されていない場合の方が断然大きくなると言うことです。

 

 
先述の通り、私が勤めていた経理部はかなり効率化が進んでいて、あまり余地は大きくないと。

 
そこからさらに効率化を進めるのかと。

 
興味ないぞと。

 
辞めるぞと。

 
事はそこまで単純ではなかったのですが、さらに経理の効率化を深掘りしていくことに、意義を感じなくて、経理の仕事を辞める遠因になったのは事実。

 
この時の面談で感じたことは、独立した現在、

 
「どのような経理効率化のプランをを提案するか」

 
の考え方の基礎につながっています。

 

 

 

経理効率化は効果の高いところだけで、行き過ぎは慎む

私が経理効率化のプランを提案するときに考えるのは、「費用対効果」です。

 
費用は、金銭の負担だけでなく、担当する方の労力や精神的な負担も含んでいます。

 
やろうと思えば、高価なシステムを導入して、経理やITのプロを雇い、継続してコンサルティングを受けることで、一気に効率化は進むでしょう。 
(そのようなサービスは大手のコンサルティング会社が得意としていますので、そちらでどうぞ。お金がかかっても、高度な内部統制でなければ困るという会社も、もちろんたくさんあります)

 
ですが、それではいくらお金があっても足りません。

 
そのような提案ではなく、

 
・日々の経理業務と決算時の業務のフローを整理すること

 
・Excelや安い会計ソフトなど、少額の投資で会計データの入力を楽にすること

 
を通じて、経理業務全体が円滑に進む方法を提案することにしています。

 

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言ってみれば、変えやすく、かつ、効果が高いところだけを変えて、効率化するイメージですね。

 
あんまり厳格な方法を取り入れようとすると、その運用が大変で、エラーも出やすく、メンテナンスに追われる可能性も高いので、そこには手を出しません。

 
「使いやすくて、今までより作業がラクになる」

 
ところを目指して、具体的な方法を提案するようにしています。

 

 

 

会社にとって重要なのは、利益を生み出すこと

会計と税務の専門家といいながら、経理効率化についてはゆるい考えかもしれません。

 
ですが、会社にとって大事なのは利益を生み出すことで、その源は売れる商品やサービスを生み出すことにあります。

 
経理はそのサポートにすぎません。

 
会社の数字は確かに大事ですが、そのことで利益が増えるわけではなく、現状を把握して将来に生かすための情報というだけです(この情報はメチャメチャ大事なんですけどね)。

 
なので、経理についても会社の足を引っ張らない程度の効率化は不可欠ですが(ムダな作業で、余計な人件費を払ったりすることがないなど)、必要以上にこだわることもまた、肝心な「売れる商品やサービスを生み出す」ためのお金や労力を削ぐことにもなりかねません。

 
なので、経理効率化については、「ゆるい」と思われても、その先にある”利益”の事を考えて、”行き過ぎないこと”も大事にしています。

 

 

 

まとめ

経理効率化は、あまり厳しくやり過ぎるのも問題があります。 
会社の本質である”利益の獲得”にとって、どのような影響があるかの視点を持っておくと、有効な方法が見つけられると考えています。
 

おまけ

会社を辞めた一番の理由は、「電車がイヤになったから」です。 
鉄分(鉄道への情熱のこと)ほぼゼロだな。

 

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