AKSが指摘された申告漏れのケースから、税務上の”経費”のポイントを理解しましょう

AKBグループを運営管理している「株式会社AKS」が税務調査を受け、5億円の申告漏れが指摘されたそうです。この案件自体は、ルールに従って処理し直せばいいだけなのですが、こう言ったケースを使って、税務上の”経費”の意味を考えのは有益です。

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AKSが指摘された申告漏れの中身

今回、AKSが指摘されたのは、

 
「経費」として認められない費用を、「経費」として申告していた

 
ことによる申告漏れです。

 
会社の税金(法人税)は、会社の儲けに対して税率をかけて計算されます。

 
会社の儲けは、売上から経費を引いて計算されますから、経費が大きくなるほど税金(法人税)の支払いは小さくなります。

 
まとめると、

 

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このような関係になっています。

 
AKSは、「経費」として認められない費用を、「経費」として申告していたわけですから、「会社の儲け」を実際よりも小さく申告して、支払った法人税も少なかったことを指摘されたということです。

 
そして、認められなかった「経費」の中身ですが、

 
・AKBのメンバーが家族と住むマンションの家賃
 
・AKBのメンバーの歯の矯正費用
 
・AKBのメンバーの旅行の旅費

 
などを、AKSが支払って、それをAKSの経費にしていた

 
というものです。

 
実際には、

 

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AKSが支払った家賃や旅費などを、会計帳簿で「メンバーの出演料」として記録して、”経費”に含めていたようです。 
(注:産経ニュースの記事を参考にしています。実際の処理とは異なる可能性もありますのでご留意下さい。)

 
これは推測になってしまいますが、税務調査で経費を重点的にチェックしているときに、「出演料」の名目で記録された経費の支払い先が、不動産会社(家賃)や旅行代理店(旅費)だったので、疑問を持たれて追及されたのではないでしょうか。

 

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(AKSはAKB劇場と同じビルに同居)

 

 
確かに「出演料」として家賃を払うのはおかしい感じがしますが、少し範囲を広げて、一般の会社における従業員の「家賃」や「旅費」のことを考えてみると、

 
従業員から申請された内容に従って、間接的にではありますが、会社が支払いをして、支払った分を”経費”として処理するのが普通です。

 
家賃補助の申請や、出張時の経費の申請を経験したことがありますよね。

 
あの面倒な申請やレシートの提出も、税務上の経費の根拠として、しっかり役に立っているのです。

 
なのに、運営会社のAKSが支払った、AKBのメンバーに関する家賃や旅費は経費にならない。

 
ここに、”経費”についての重要な考え方が隠されています。

 

 

 

売上に直接結びつく費用=経費

税務上、”経費”と認められるかどうかについては、細かい規定があるわけではありません。

 
同じ物を同じ金額で買ったとしても、経費になる場合もそうでない場合もあります。

 
費用が経費として認められるかどうかで重要なのは、

 
売上直接結びつく費用

 
であるかどうかの視点です。

 
この視点で先ほどの、AKSによる家賃や旅費の支払いを考えてみましょう。

 

 
AKSにとってAKBのメンバーは、売上に貢献してくれる存在であることには間違いありません。

 
ですが、直接売上に貢献するのは、テレビ、ラジオ、劇場公演やライブなどに出演して披露されるパフォーマンス(歌やダンスだけでなく、話すことや”そこにいて姿を見せる”ことも含まれます)よるものです。

 
ほとんどのAKBのメンバーは、AKSではない芸能プロダクションに所属していますから、AKSは所属プロダクションに「出演料」を支払い、「メンバーの出演」というサービスを買い、テレビやライブに出演してもらうことで、売上につなげていますから、

 

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この「メンバーの出演」というサービスに対する支払いこそが、AKSにとって”経費”と認められる部分になります。

 
とすると、AKBメンバーへの家賃の支払いや旅費の支払いは、売上を上げるために必要なサービスへの支払いではありませんから、”経費”とは認められず、

 
「単に、メンバーに対してお金を渡しただけ」という扱いになり、税務上は寄付金にあたると解釈されてしまうのです。

 

 
それに対して、一般の会社で従業員に支払っている家賃補助や旅費ですが、これは、

 
会社と従業員の間で契約を結び会社の売上に貢献するために労働を提供することと、労働に対する対価を支払うことを約束した上で、 
その契約の中で、労働の対価である給与の一部として支払われるのが家賃補助であり、

 

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また、会社で認められる旅費は、業務の中で行われる移動のための費用として支払われるもので、売上との結びつきがはっきりしています。

 

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ですので、会社が従業員に関して支払う費用は、(契約や支払いの中身によって)売上への貢献がはっきり分かるものに限って、”経費”として処理されているのです。

 
このように、同じ「家賃の支払い」や「旅費の支払い」であっても、それが「どのように売上に貢献するか」によって、”経費”として認められるかどうかが変わってきます。

 
経理で実務を担当していると、経費として処理するかどうかの判断が難しいものも出てきますのが、他の事例を参考にするだけでなく、「売上に対してどのように貢献するか」の視点から検討することも覚えておくといいでしょう。

 

 

 

まとめ

税務上の”経費”になるかどうかの判断には、「その費用は、売上に直接貢献するか」の視点が重要になります。この視点は、実務上の判断でも役に立ちます。
 

おまけ

デ・ヘアの移籍がまさかの破談。 
そして、東芝の有報提出が再延期。 
波乱の8月31日になりました。

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