微妙な経費の判断は投資の判断と似ている 「本気で未来に元を取るつもりで支払ったもの」だけ経費と判断します

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会計士、税理士として独立してからは事務所の帳簿をつけていますが経費について判断しなければいけないのは、会社にお勤めの皆さんと変わりありません。会社では経費の規定があり、それに沿って処理すれば経費として認められますが(会社からお金が充当される)、会社を経営していると、自分でその判断をする必要があります。その際、私が経費として落とすかどうかの判断基準にしているのが「本気で元を取るつもりで支払っている」かどうかです。この判断は投資の判断と似ていると考えています。

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税法上、経費として認められる支払い

一般的に経費と言われるのは税務上の費用を指します。税金は売上から費用(経費)をひいた”もうけ”(税務上は所得と言います)に対して税率をかけて計算します。この計算方法は個人の所得税も会社にかかる法人税も同様です。

先述の計算方法からすると、税金を安く抑えるためにはできるだけ”もうけ”を少なくする必要があります。その方法としては、売上を少なくするか費用を多くするかの2つ。ただし、売上を落としてしまっては会社の存続に問題が出てきますので、こちらは選択肢から外れて、費用(経費)を多くするように考えます。

とはいえ、会社名義で使ったお金なら何でも費用(経費)になるわけではありません。税法上で定められた基準を満たすものだけを費用(経費)として認めています。これは”もうけ”を正しく計算して、平等に税金を払ってもらうようにするためで、勝手な判断で税金を安くしようとすることを許してはいないのです。

では費用(経費)として認められる基準がどのようなものかと言うと、「その支払いが売上を上げるために必要だったかどうか」で判定しています(ここでは説明の便宜上、税法上の厳密な定義を避けています。その点をご了承ください)。税法上、個別に費用(経費)として認められるものを、いくつか定めていますが、全てを明確に定めているわけではありません。ですので、支払いによっては、費用(経費)にあたるかどうかを自分で判断する必要があります。

経費になるかどうか具体的な判断 本気で元を取ろうと思って支払ったか?

税法上の経費の判定基準「その支払いが売上を上げるために必要だったかどうか」を具体的にどのように決めているかですが、私の場合


1.本気で元を取ろうと思って支払ったか

2.1.の説明に無理がないか

この2点を考えて経費の判断をしています。

たとえば、ランのためにシューズを購入した場合。私はファンランナーですので個人の楽しみのためにシューズを買っています。少なくとも支払いの段階で、シューズから売上を上げようとは考えていません。従ってこの支払いは事務所の経費にはしません。

一方で、同じシューズの購入でもプロのランニングのコーチであれば経費として認められる可能性は高くなります。
プロのコーチの場合、シューズ選択はクライアントの成績に直結します。シューズについてのアドバイスもクライアントから求められるサービスの一つですから、的確なアドバイスを行うためにシューズを購入したはずです。このケースでは、支払いの段階で売上(サービス提供)に結びつくことを明確に意識していますし、シューズを購入して正確な情報を得ることがクライアントへのサービス提供ひいては売上に結びつくと説明することに無理はありません。従って、この場合は同じシューズの購入でも経費と判断して税務上の費用として計上します。

このように、何に支払ったかではなく、どのような意図で支払ったか。その説明に無理がないか、が経費判断のポイントになります。もちろん、人間が判断することですから一律の判断になるわけではありません。ですが、経費になるかどうかの判断基準を事前に準備し、常にそれに従って判断することが間違いのない経費判断には必要です。税理士や税務署に説明を求められたとき、明確で妥当な基準があり、それに従って処理していることが分かれば経費として認められる可能性が高くなるからです。

経費≒投資 未来で回収する意図があってこその支払い

世界中に無数の投資家がいますが、どの投資家にも共通していることがあります。それは、将来に回収の見込みがないものには投資しないということです。彼らが「絶対に損したくない」のは当然として、クライアントからの信頼や、自分自身の評判を何が何でも守りたいと心底思っていますから、投資を実行するかどうかの判断はシビアです。もちろん、投資家は予想はしますが予言者ではないので損をすることもあります。ただ、投資の段階で、投資したお金が無駄になっても良いと考えている人は一人もいません。「絶対に回収する」と考えて、株式、債券、信託、為替、鉱物、穀物、様々なものに投資しているのです。

この「絶対に回収する」という意図は、支払いを経費として計上する根拠と共通していると私は考えています。自分や家族の喜びのための支払いは将来の回収(この”回収”という言葉は、お金の裏付けがあることを想定しているところがポイントです)など考えていないでしょう。また、いくら「営業のため」と言い張ったとしても自分が楽しむための飲食に使ったお金について、「将来本気で取り返そうとしていたか」「どんなロジックで取り返すのか」と自問すれば口ごもってしまうはずです。

会社経営の基本に立ち返ると、投資したお金を超える回収があってはじめて会社は存続します。経費も会社の活動の範囲内で認められるのですから、投資と同じように将来の回収を見込んでいる場合にこそ認められると考えるべきです。そうすれば、会社経営の仕組みともマッチして経費になるかどうかを正しく判断できるのではないでしょうか。

まとめ

経費の判断基準を事前に定め、常にそれに従って判断するようにしましょう。税法と常識を踏まえつつ「将来絶対に元を取る(売上に繋げる)」という明確な意図と無理のない説明ができるかどうかがポイントになります。
<おまけ>
天気は良いですが、気温があまり上がらなくなってきました。
日没後は冷えるのが早いので、できるだけ日中にランへ出かけられるよう、仕事を早めに終わらせるようにしています。

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