無借金経営を目標とするべきか  イメージに惑わされずに正しく借入を評価しましょう

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ビジネスを始めるためには、いくらかの元手が必ず必要です。一つの方法として借入がありますが、借入を否定的に捉え、できれば避けるべきとする意見もあります。実際にネガティブなものなのか。借入の効果を考えます。

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借入が否定される理由は、利息の支払いによるお金の流出です


一般的に、借入に対しては、ネガティブなイメージを持たれているように思います。


これは、テレビや映画を通じて広く浸透した、”借金(しゃっきん)”に対するイメージの影響でしょう。
借金を題材として、私たちがよく見聞きするのは、生活の苦しさを逃れるため、あるいは、贅沢な生活を維持するために借金を重ね、最後は返済が滞って破産し、生活が破綻していくストーリーばかりです。


はっきりと言葉にはしないものの、「借金=生活苦or生活破綻」の図式が頭の中に刷り込まれてしまっているのも、仕方のないことでしょう。


ですが、そのようなイメージを取り払って、純粋に借入の性質を考えると、何も深刻なことはありません。


①将来の資金を、繰り上げて使うことができる


②①の手数料としての利息を支払う

この2点だけです。


さらに、純粋な資金の流れだけを考えると、
①についていえば、同じ金額を借りて、返すだけですから、プラスマイナスゼロ。
②の利息の支払いについてだけ、お金が出ていくにすぎません。


もし、借入について否定する理由があるとすれば、この「利息の支払いによる資金の流出」によって、会社の財産が減っていくことだけです。
少なくとも、借りた人や会社を破綻させるような危険なものではありません。


なお、生活苦などを理由とする借金については、それまでの生活の水準が実現可能なレベルを越えていたことが問題です。


まずは、生活に必要な支出の中身を見直して不必要なものは削ること。それでも、それを賄うだけの収入がないようなら、公的な制度を活用して生活を維持することを考えます。


生活が破綻した後に、借金をしたというのが実態です。
借金によって生活が破綻したとするのは、順番が逆ですので、イメージに影響されず事実を捉えるようにしたいところです。

借入の評価は、”収支”で決まります

借入が否定される理由は、利息の支払いによる資金の流出でした。
ただお金が出ていくだけなら、その原因である借入は避ける必要があります。


ですが、ここには一つ抜け落ちている視点があります。
それは、「借りてから返すまでのお金」のこと。


当然のことですが、利息は借りたお金に対して支払うのですから、利息が発生するのは、お金を借りてから返すまでの期間です。


その一方で、借りたお金は、現金のまま手元に置いておくことはありません。
従来の事業を強化する、もしくは、新たな事業を始めるなど、新たな収益を得るために使われるはずです。


ですので、利息の支払いという借入のマイナス面を、それだけで評価することはできません。
借りたお金で行った新しい投資(人を雇ったり、機械を買たりしたときの支払い)によって、増えた収益(増えたお金)と比較して、はじめて正しい評価ができるのです。


借りたお金を使って、増えたお金が、利息によって出ていくお金よりも小さければ、借入の判断は間違い。その反対なら、正しい、ということになります。


借入をイメージだけで評価してしまうと、せっかくのビジネスのチャンスをつぶしてしまいかねません。
借入の評価は、資金の収支、両方を見る必要があります。

投下資本利益率で借入の評価ができます


借入の評価には収支両面から行わなければならないことを説明してきましたが、具体的な方法を考えてみます。


「借入の収支」といっても、様々な活動を行っている会社の中で、借入による影響だけを取り出すことは困難です。


利息の支払いは良いとしても、借りたお金の使い道は様々で、特定することは不可能です。
会社が使うお金は借り入れだけではありません。それまで残していた会社のお金や、投資家から受け入れた資金など、複数あり、お金の支払い先と紐付けることができないからです。


ではどうするかですが、借入の資金だけを取り出すのではなく、会社の資産全体を、会社のお金の使い道として考えて、そこからどれだけの利益を獲得できたかで評価します。


借入前の状態の資産全体で得られる利益と、借入後の資産全体で得られる利益とを比べるのです。
具体的には次の式で求められる投下資本利益率で比較します。

投下資本利益率=利益÷資産総額×100


借入前・後の投下資本利益率を求めて


①利率<借入後の投下資本利益率


②借入前の投下資本利益率<借入後の投下資本利益率


①②の条件を満たせば、借入の判断は正しいといえます。


投下資本利益率は、会社のお金100円を使って、年間いくらの利益(増えたお金)を生み出せるかを表しています。
利率は、借入100円に対して年間いくらの利息を支払うかを表します。


利率と投下資本利益率の比較は、借入によって出ていくお金と、増えたお金の比較ですので、借入の評価が分かります。
さらに、借入後の投下資本利益率が借入前の投下資本利益率を上回れなければ、新しく始めた事業や、既存事業への追加投資に意味があるかどうかが分かるのです。


借入の評価は投下資本利益率を使って、出ていくお金と入ってくるお金の差し引きで行います。

無借金経営は理想的な経営か

ここまででおわかりかと思いますが、「借入」という資金調達の形態だけでその善し悪しを判断することはできません。
つまり、会社として無借金を目指すことに合理的な理由はないと言うことです。


利息を差し引いた上で、さらなる利益(お金の増加)が見込めるなら借入を行うべきですし、それができないなら、やめておくべき。
重要なのはその評価を適切に行うことであり、借金をするしないと経営の優劣は関係ないということになります。

まとめ

無借金経営と経営の優劣は関係ありません。
借金のイメージにとらわれることなく、会社の利益(お金)を増やせるかどうかで評価することにこそ、経営の優劣が現れます。

※なお、今回の記事には、借入に与える物価変動の影響の視点を含めることができませんでした。
こちらについても、機会を改めて触れてみたいと思います。

<おまけ>
元旦フェス。初日の出を見ながら音楽で盛り上がり、餅つきで正月気分を味わう。
DJも有名どころを揃えていて魅力的ですね。
寒すぎなければ行ってみたいと思ってしまいました。

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