契約を終わらせる難しさ

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ビジネスでは取引する内容について契約書が交わされます。後からトラブルが発生しないように、事前にサービス、商品と代金を明らかにして両者が納得して取引するためです。それでも契約通りに事が進まないのがビジネス。重くない、「契約満了の難しさ」についての話です。

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契約満了できないつらさ サッカー監督の解任の場合

今朝、サッカー関連のニュースでトップに報じられたのがジュビロ磐田、ペリクレス・シャムスカ監督の解任(現時点では未確定。噂の域は出ていません→オフィシャルサイトで解任が発表されました)。ジュビロ磐田は昨年、J1・18チーム中17位となりJ2へ降格。今年はJ1昇格が至上命題のシーズンで、Jリーグでの実績がありチームの立て直しに定評のあるシャムスカ監督を招聘しました。

シャムスカ監督は2005年から2009年まで大分トリニータで指揮を執り、降格寸前まで落ち込んだチーム(就任時18チーム中17位)を立て直し(最終順位11位)、Jリーグヤマザキナビスコカップのタイトルまで獲得(2008年)。次々に有望な若手選手を育てるなど多くの実績を残してきましたが、その結果、年俸が上昇して「来て欲しいけど手が出せない監督」になっていました。

J2降格の次の年に昇格しなければ、昇格が難しくなる傾向にあるJ2で(元J1でなかなか昇格できない例としてジェフユナイテッド市原・千葉、京都サンガF.C.、東京ヴェルディが挙げられます)、自動昇格(1位と2位)を是が非でも勝ち取りたいジュビロ磐田が、高額な年俸を受け入れてまで契約を結んだのがシャムスカ監督でした。彼と契約を結んだという事実だけでクラブがいかに本気だったかが分かります。もともとJ1で戦っていたジュビロですから選手の実力と層の厚さはもちろんのこと実績十分の監督までそろえて、開幕前は他チームを圧倒するのにふさわしい体制が整ったと思われていました。

しかし、J2は決して甘いリーグではありません。現在全42ゲーム中33ゲームを消化して、ジュビロは自動昇格圏外の3位。自動昇格の2位松本山雅FCとの勝ち点差が8に広がり、「勝ち点差が残りゲーム数を上回ると逆転は難しい」とされるサッカーで自動昇格にギリギリのところにまで来てしまいました(注:3位から6位までのチームで争われるプレイオフに勝ち残れば昇格は可能なので6位以内なら昇格の可能性はあります)。

当初はJ1昇格は当然として翌期以降のJ1での戦いまで考えていたシャムスカ監督との契約。目標を下回っている事実は重さの前には、事前に交わした将来の展望や理想もほとんど意味をなさず、契約期間満了を待たずに解任と言うことになりそうです。

契約内容を全うして、報酬を満額受け取るというのが美しいビジネスのあり方ですが、どうにもならない現実の前に契約はいつの間にか無力なものに。不確実性の高いサッカーの世界では契約期間を満了することはとても難しい、と監督解任のニュースを聞く度に思います。

契約を全うするためには意思表示が必要

数ヶ月前、美容院で初めて経験したことがありました。髪を切ってもらった翌日にどうしても納得ができなくて直してもらったのです。最初に要望を伝えて全てが完了し、一応、納得はしたものの家に帰ってしばらくたつとどうしても気に入らない所が。美容院はうちから離れてますし、時間も取られるので面倒だとも思ったのですが、今後も通うつもりでいましたので我慢するのはお互いにとってよくないと考えて、こちらの不満な点をしっかり伝えた上であえて修正を依頼したのでした。

もし、それ以降通うつもりがなければ、しばらく我慢して別の美容院に行っていたと思います。ですが、長く続く関係を望むなら、お互いに気を遣いすぎずフェアに要望や意見を言い合える関係にする必要があると思うのです。長い付き合いだからこそ、言いたいことでも飲み込むというのもあると思いますが、それを続けるとどちらかが我慢して成立する不健全な関係になってしまいます。
不満を飲み込んでそれが限界に来たら、何も言わずに他と契約を結ぶ、というのではサービス提供する側にとっては改善の機会を失うことになりますし、受ける側も不満を溜め続けて不確かな新規のサービスに賭けることになりますから、お互いに損をすることに。これはとても残念なことです。

お互いに敬意を払うことは当然ですが、その上で、伝えるべきは伝えられる関係でいることで、一つ一つの契約を全うしながら長く関係を続けることが可能になるのです。

ちなみに、直してもらっている間は、美容師さんは恐縮しきりでちょっと居心地が悪かったのですが、それでもしっかり意思表示してそれに応えてもらえたことで今後に向けては良かったと思います。

相手との対話が重要 契約を終わらせるにも印象が違う

サッカー監督の契約も契約期間を満了させることは難しいですが、お互いの意思を交わせるフェアな関係でいることは、契約を途中で終わらせる場合にも重要です。「契約書にあるとおり目標に届かないから解任します、お金は払うからいいだろ」と言うのと、そこに至るまでにお互いに対話を重ね、一緒になって改善策を練り、できることを精一杯やった後にやむを得ず解任、というのとでは、納得の度合いが違うのです。

「解任する相手を気遣う必要はない、成果を出せなかったのが悪い」という考えはいつか自分にも刃となって返っててくるでしょう。去る者に対して敬意を表せなければ、残る者からの信頼も危うくなります。皆そのような場面での立ち居振る舞いはよく見ています。

まとめ

ビジネスでは取引に際して契約書の作成は不可欠です。
その上で、契約内容を全うするにしても終わらせるにしても、フェアに対話できる関係を築いておくことが、契約を結んだ後、取引を円滑に進めるために重要になります。
<おまけ>
誕生日のプレゼントを色々いただきました。ありがとうございます!
普段自分で選ばないものをいただきましたので、しばらくは食卓の彩りが豊かになりそうです。

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