就職・独立と公認会計士の資格の価値

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現在は公認会計士として独立し、仕事をさせていただいていますが、公認会計士を目指したきっかけは自分に自信がなかったからでした。

公認会計士試験を考えていらっしゃる方の中には「会計プロフェッションとしての道を究めたい」、「証券市場の信頼性確保に貢献して日本経済の発展に寄与したい」などの高い志を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、就職に有利、つぶしがきくから、私のように武器になるものがなくて自信がないから、という理由で選ばれる方も多くいらっしゃるでしょう。

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会計士試験合格で監査法人への就職は容易に

実際のところ、公認会計士試験に合格することによって就職はしやすいと思います。この状況はここ1,2年のことで数年前まではかなり難しい状況でした。

公認会計士業界は2000年代の後半、大量の合格者と未就職問題が大きくクローズアップされてきました。合格者数に対して監査法人の採用数は圧倒的に少なく、せっかく試験に合格したのにどこにも就職できない方がたくさんいたのです(2012年末でも1,100人以上『日本公認会計士協会政治連盟ニュース第361号』)。

ですが、2010年代に入ってからは状況は一変しています。依然監査法人の採用数は少ないものの金融庁が一気に合格者数を絞ったことから、今度は売り手市場へと変わり大手監査法人では人手不足の状態です。

一方で、監査法人以外の就職先で会計士試験合格が有利に働くかと言えばそうとは言えないでしょう。どの会社も優秀な人材が欲しいのは変わりませんが、必ずしも会計や監査の知識が必要とされてはいないのですから、会計士試験を受けていない他の就活生と同じようにその会社の基準で評価されていくだけです。職種にも拠りますが会計士試験をクリアしたメリットはほとんどないでしょう。

公認会計士試験は短期で合格するもの

先述の通り、試験に合格すれば監査法人への就職については有利ですが、その前提になる試験の難易度はどうでしょうか。ここが難しければ就職自体も難しいと判断せざるを得ません。ここでは客観的な数字で難易度を把握します。

まず、合格率ですが直近3年で見ると7.4%,8.9%,8.8%(金融庁HPより)。しかも合格者の多くは有名大学に在学もしくは卒業した方(公認会計士三田会の資料より)ですから母集団のレベルも高くかなりの難関であることが分かります。さらに、注目すべきなのが合格者の年齢層です。2013年のデータによると、20歳以上25歳未満が43.7%とボリュームゾーンにあたり25歳以上30歳未満が35.1%と次に多くなっています。願書提出者数の比率で行くと20歳以上25歳未満が28%、25歳以上30歳未満が30%となっていることから20歳以上25歳未満は合格率が際だって高くなっていてこのタイミングで合格するのが最も合格しやすいパターンと言えるのです。
つまり、高いレベルの母集団の中で早い段階で上位に駆け上がらなければならないという非常に難しい試験と言うことです。これを踏まえると試験合格を前提とする会計士としての就職はやはり容易ではないことが分かります。

非常に厳しい試験の実情を見ましたが、20代前半までに決着をつけるという考えは、何度か受験した上で試験をクリアできなかったとしても一般の就職活動へ切替える道を残していている点で合理的な戦略でもあることも知っておいて下さい。
もし、会計士の道を考えるなら早期に準備を始めて試験を受け、感触を確かめることを強くお勧めします。行けそうなら続ける、難しそうなら新卒カードを使って就活へ。制度として批判はありますが新卒一括採用が根付いている現状では新卒カードは大きな武器なので、会計士が難しいならこれを使って就職の道を開くことを絶対に考えるべきです。

独立するなら公認会計士はアリです

ここまでは、就職の話。現実を直視するとどうしても相当厳しい話になってしまいますが、「会計士はやめとけ」ということを言いたいわけではありません。ここまで激しく推してきたスタイルである20代前半での合格を、私が達成できたわけではありません。それでも会計士になれて良かったと思っています。

専門分野が明確になりプロとしての覚悟ができる

会計士になって専門分野ができました。当たり前のようですが就職が目前に迫ったとき、何の武器もなくて全く自信が持てなかった自分に「これができる」「これに詳しい」という専門分野ができたのです。普通はこれを探すのに何年もかかりますし、会社の中で専門性を磨けず苦しんでいる方はたくさんいらっしゃいます。

ですが、資格を取ってしまえば、国から「この人、会計と税務と監査の専門家ですよ」と広く説明してもらえるわけですからこれほど心強いことはありません。もちろん、資格だけで食えるわけではありませんが、その道で食っていく覚悟ができます。この覚悟ができれば自分で生きる術を見つけるのも難しくはありません。志があれば仕事は向こうからやってきます。

独立できます

これも当たり前、でも大きな事だと気づいたのは独立を考えるようになってからです。よくよく考えれば資格がなくても独立はできますし、それで成功されている(食べていける)方は数え切れないほど多くいらっしゃいます。ですが、看板を掲げたときに何ができるかを伝えやすく、自分の専門性が生かせる上に、初期投資が小さく、独自のスタイルを打ち出して仕事ができるのは非常に魅力的なことです。

仕事の幅が広い

会計士の資格では思っているほど就職の幅は広がりませんが仕事の幅は広がります。特に独立すれば、自分の裁量次第で税理士として税務もできますし創業の支援、経理部門の構築・効率化、ITの導入、内部統制の構築・支援、マーケティングや経営コンサルもできます。実力がなければ無理ですが、自分を磨いてアピールし続けていればチャンスを手に入れることは可能です。

公認会計士の資格は昔と違い安定は与えてくれませんが、多くの可能性を与えてくれます。そこに大きな価値を見いだすことができるのです。

まとめ

公認会計士の試験合格は監査法人への就職の必須要件であり、これがあれば現在は非常に採用されやすい状況です。ですが、一般の就職の現場では特にメリットはありません。

独立を考えていらっしゃる方にとっては仕事の可能性をを広げてくれるものですので目指す価値はあります。

いずれにせよ難易度の高い試験ですから、チャレンジされる方は撤退の勇気を持ちつつ早期で決着をつけるつもりで挑みましょう。

<おまけ>
東京は台風が抜けて青空が広がってきました。
気持ちの良い秋晴れです、走りに行きます!!

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