分析のキモは情報を捨てること 課題解決のためにはポイントを絞った分析が効きます

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学生時代はバスケに夢中でした。プレーの楽しさが1番ですが、同じくらいチームで勝利する喜びに惹きつけられたのです。勝利を得ることに必死だった私は、毎試合相手チームの分析をやっていましたが、ライバルチームとの対戦で大きな失敗を経験したのでした。

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対戦チーム分析の罠

私が所属していたチームは県下でも強豪の部類で、どの大会でも準決勝までは必ず進むようなチームでした。準決勝以上の顔ぶれはほぼ決まっていて、どのチームと対戦してもギリギリの所で勝敗が決するような拮抗した実力を持つチームばかりです。

 

ある大会の準決勝でライバルチームと対戦することになり、何とか勝ちたいと考えていた私は、いつものように対戦チームの動画を分析することに。マッチアップする相手は相手チームのエースです。「彼を押さえれば勝てる」と確信した私は、徹底的に分析することにしました。

プレイエリア、得意なプレイ、プレイの選択、コンビネーションのパターン、シュート成功率、ドリブルのコース、フェイクのバリエーション…。
脳裏にプレイを焼き付けながら、片方では記録も残して数字でも彼のプレイを把握するように努めました。十分な分析を経てイメージトレーニングを繰り返し、準備を整えてゲームに臨みます。

結果は、完敗でした。相手のエースを抑えるどころか好きなようにゴールを決められてしまい、一時は15点以上の差をつけられワンサイドゲームに。オフェンスの頑張りで接戦に持ち込みましたが、結局チームも敗退。エースを抑えるためにスターターに選ばれたのに、チームの足を引っ張っただけで何もしないままコートを去ることになったのです。

準備が不十分だったわけではありません、分析が間違っていたわけでもない。むしろ、いつも以上に時間をかけて多くの情報を集めたはずです。ところが皮肉なことに情報を入れ過ぎたことが、失敗の原因になりました。相手の良いプレイのイメージを頭に入れすぎたことで、自分のプレイに迷いが出てしまい、相手の脅威になることができなかったのです。

人が処理できる情報量には限度があります その限度内に情報を絞ることが情報を生かすコツ

その試合で私が頭に入れていた情報は次のようなものでした。

「アウトサイドからのジャンプショットがある」
「シュートフェイクからドライブインも得意」
「味方を使ったパス&ゴーでペイントにも進入する」
「時には大胆にロングシュートも狙ってくる」

そのゲームでは、これらすべてについて「やらせてはいけない」と気負ってしまい、結局何をすれば良いか分からなくなっていたのです。

必要だったのは、情報を集めた後で最低限注意すべき2つか3つのことにポイントを絞ることでした。
これなら情報を十分に消化することができますし、それに対して自分が何をすべきかという”対策”もはっきり打ち出すことができます。

消化しきれない情報は混乱しかもたらしません。人が処理できる情報の量はそれほど多くはないからです。
情報を生かして行動につなげるためには、情報を絞ることが不可欠です。

経営分析も情報をいかに捨てて、ポイントを絞れるかに気を遣います

現在はクライアントに経営分析や財務分析を提供して、将来の方向性を考えるお手伝いをしています。その際に思い浮かべるのがこの時の教訓です。

経営分析や財務分析でクライアントに満足していただけるのは、分析結果に基づいて行動を起こし、課題が解決もしくは改善したことを実感していただいたときです。

経営分析や財務分析は様々な角度から行います。その成果としてたくさんの情報を提供したくなりますが、クライアントが抱える課題の解決に向けた”行動”につなげていただくことを念頭に置いて、重要なポイントに絞って情報を提供するようにしています。
分析結果を伝える資料にも、余計な情報を載せていないかの確認を欠かしません。

まとめ

情報は適切な行動に結びついてはじめて価値が高まります。
多すぎる情報は混乱を招き、行動を妨げることになるので、自分が受け入れている情報や人に伝える情報が多すぎないかを確認してみましょう。それができれば、これまで以上に行動の質が高くなっていきますよ。
<おまけ>
元サッカー日本代表監督のイビツァ・オシムさんも「情報を与えすぎてはいけない。情報が多すぎると相手を脅威に感じてしまい選手は動けなくなるものだ」とおっしゃっていました。
書籍などを通してオシムさんのお話に触れる度に「あの頃、バスケのコーチとしてオシムさんが自分のそばにいてくれたら、もう少しましなプレイができたかも」と想像してしまいます。もっとも、実力が足りなすぎてコートに立たせてもらえなかったかもしれないですけどね。

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