マンチェスターシティ、レアルマドリード、FCバルセロナ、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーのサラリー 同じビッグクラブでも特徴は大きく異なります

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フットボールの強豪クラブは莫大な予算をかけて運営されています。ポジション別の予算比率を元に各クラブの特徴やJリーグのクラブとの違いを考えてみます。

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ヨーロッパのフットボールクラブの予算は桁違いです

過去に、Jリーグのクラブでポジション別の予算を元にクラブの特徴を見ていきましたが(”Jリーグクラブのポジション別予算配分から、チーム作りの意図を考えます”)、今回はヨーロッパのビッグクラブに目を向けてみます。


フットボールの中心地は過去も現在もヨーロッパです。世界中に配信されるUEFAチャンピオンズリーグ、週末の各国リーグ戦の放映権料と、それに付随するスポンサー料。さらに、世界的な富豪が次々とクラブオーナーに就任して、莫大な私財ををクラブにつぎ込み、クラブの財政は大いに潤っています。


有名な富豪のオーナーとしては、マンチェスターシティのシェイク・マンスール氏(UAEのアブダビ首長の子息で、アブダビ石油が出資するファンドのオーナー)、チェルシーのロマン・アブラモビッチ氏(ロシアの石油企業「シブネフチ」の株式売却などで多額の資産を取得)などがいます。


具体的に、どの程度のお金をつかっているのかを選手に支払うサラリーの面から見てみます。

スクリーンショット 2014 12 20 11 26 45
(出典:GLOBAL SPORTS SURVEY2014 
http://www.globalsportssalaries.com/GSSS%202014.pdf)


これは「Sporting Intelligence」が2014年4月15日に公開した、世界のプロスポーツクラブのサラリーランキングです。
フットボールに限らず、野球のメジャーリーグ、アメリカンフットボール、NBA、NHLなど世界のプロスポーツクラブを対象に平均年俸を調査して、上位294チームをランキングしています。


画像では上位10チームを表示していますが、その中にヨーロッパのフットボールクラブが6つも入っています。
1位:マンチェスターシティ(イングランド・プレミアリーグ)
4位:レアルマドリード(リーガ・エスパニョーラ)
5位:FCバルセロナ(リーガ・エスパニョーラ)
7位:バイエルン・ミュンヘン(ブンデスリーガ)
8位:マンチェスター・ユナイテッド(イングランド・プレミアリーグ)
10位:チェルシー(イングランド・プレミアリーグ)

さらに11位にはアーセナル(イングランド・プレミアリーグ)、18位にユベントス(イタリア セリエA)と続きますから、ヨーロッパのフットボールにどれだけ多くのお金が回っているかが分かります。


ちなみに、このランキングにある294クラブにJリーグのクラブは1チームも含まれていません。
日本のクラブで言うと、読売ジャイアンツがトップで183位。次に中日ドラゴンズが200位で続いて、最後に227位に横浜DeNAベイスターズが入って、日本のプロ野球は全チームがランキングに入っています。


GLOBAL SPORTS SURVEY2014ではクラブの平均年俸(年俸総額÷所属選手の数)で比較していますから、人件費予算の規模がどの程度かが分かりづらくなっています。そこで、クラブの予算規模を分かりやすくするために、上でトップ10に入った6つのフットボールクラブの所属選手のサラリーを、総額で確かめてみます。
データはTSM PLUG、FORBES、Sporteology、等のサイトを参考にしています。


スクリーンショット 2014 12 20 12 08 55

桁数が大きすぎて分かりにくいですね。
マンチェスターシティ、マンチェスター・ユナイテッド、レアルマドリードが約230億円、チェルシーが約220億円、バイエルン・ミュンヘンが約200億円、FCバルセロナが約196億円、を選手の年俸として支払っているということです。
(GLOBAL SPORTS SURVEY2014のランキングと異なっているのは、サラリーのデータがGLOBAL SPORTS SURVEY2014が2013年のものを使用しているのに対して、TSM PLUG、FORBES、Sporteology、等のデータは2014年のものを使用していることによります。)


Soccer-Money.netさんのデータを参考に、2014年のJ1リーグの全選手年俸の総額と上記6チームの年俸を比較した結果が、次の表です。

スクリーンショット 2014 12 20 12 24 36


黄色で色づけした行はJ1リーグの全選手、全監督の年俸合計です。
ご覧いただければ一目瞭然で、J1リーグ全体を合計しても約120億円で、6チーム中最も少ないFCバルセロナの約196億円に遠く及ばない水準です。


対象となったJ1リーグの選手、監督の数が521名なのに対して、FCバルセロナの選手数(監督含む)が25名。
J1リーグの総年俸は、ヨーロッパの強豪クラブにおいては、その20分の1以下の数の選手に支払われる給料にも及ばないことになります。
ここまで差が開くと、同じ競技として比較することが理不尽に思えてくるほどです。


ヨーロッパの強豪クラブの予算規模の大きさは分かりました。
次に、その予算をどのように配分しているかをポジション別に見てみましょう。

同じ強豪クラブでも、予算の使い方には個性が出ます

まず、ポジション別の予算額を見てみます。
(データはTSM PLUG、FORBES、Sporteology等のサイトを参考にしています。)

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特徴的なところに色づけしてみました。
一番下にある6チーム平均額と比較すると分かりやすいと思います。
平均と比べて多く使っているところもそうですが、極端に少ないポジションにも注目してみて下さい。予算を割いていないポジションにもそのクラブの特徴や事情が見え隠れします。


マンチェスター・ユナイテッドのFWとチェルシーのFWの差。バイエルン・ミュンヘン、チェルシーとFCバルセロナの監督(MG)の差などは特に注目すべき所でしょう。


総額ではクラブ内でのポジション間比率が分かりづらいので、各クラブのポジション毎の平均年俸を比率で示してみます。

たとえば、次のように各ポジションの平均年俸を求めて、その合計と、ポジションの平均年俸との比率をパーセンテージで示します。

(例)
FW(4人):4人の年俸合計8,000万円÷4=2,000万円
MF(10人): 10人の年俸合計1億5,000万円÷10=1,500万円
DF(9人):9人の年俸合計9,000万円÷9=1,000万円
GK(3人):3人の年俸合計2,400万円÷3=800万円
MG(1人):1人の年俸合計5,000万円÷1=5,000万円
平均年俸合計:2,000万円+1,500万円+1,000万円+800万円+5,000万円=1億300万円

ポジション間の比率
FW:19% MF:15% DF:10% GK:8% MG:48%
(FW:2,000万円÷1億300万円、MF:1,500万円÷1億300万円、DF:1,000万円÷1億300万円、GK:800万円÷1億300万円、MG:5,000万円÷1億300万円)

このようにして各ポジションの比率を求めたのが次の表です。

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先ほどよりも、よりクラブとしての特徴が見えるようになってきました。

監督タイプ

Jリーグにも多いタイプです。これに該当するのがバイエルン・ミュンヘンとチェルシーです。

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実績、カリスマ性、戦術の知識、人心掌握術、勝負師としての勘、その全てにおいて現役最高の評価を受ける、ジュゼップ・グアルディオラ(バイエルン・ミュンヘン)とジョゼ・モウリーニョ(チェルシー)を招いている2チームですから、当然の結果と言えます。


スター性など個人のキャラクターも含めて考えれば、これ以上の人材は世界中探しても見当たりません(純粋な監督しての能力だけで言うと、カルロ・アンチェロッティなども該当するでしょう)。
「監督こそがクラブの強さの源」と言い切れるほどの影響力を持った2人です。
今年も間違いなく何らかのタイトルを獲得することになるでしょう。

FW重視タイプ

FWの得点力を重視するタイプです。マンチェスター・ユナイテッドとFCバルセロナが該当します。

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FCバルセロナ、マンチェスター・ユナイテッドはともに昨シーズン思うように勝てなかったクラブと言うことで共通しています。


FCバルセロナは昨シーズン、スペインリーグでリーグ2位の成績でしたが、ライバルのレアルマドリードには全く歯が立たないほど、クラブとしての力の差を見せつけられました。
マンチェスター・ユナイテッドはプレミアリーグで7位と低迷し、上位5位までに与えられる、ヨーロッパのカップ戦の出場権を逃しています。


巻き返しを図りたい両チームは、監督を交代させるとともに目玉となるFWを補強しました。
FCバルセロナはリバプールからルイス・スアレス選手を、マンチェスター・ユナイテッドはモナコからラダメル・ファルカオ選手を獲得したのです。


FCバルセロナにはリオネル・メッシ選手とネイマール選手、マンチェスター・ユナイテッドにはウェイン・ルーニー選手とファン・ペルシー選手というワールドクラスのフォワードが所属しています。それに加えて高額のサラリーを条件にワールドクラスのフォワードを加えることになったため、クラブ内ではフォワードのサラリーの比率が飛び抜けて高くなっているのです。

MF重視タイプ

中盤での攻撃の組み立てを重視するタイプです。マンチェスターシティが該当します。

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マンチェスターシティは先述の通り、アブダビのオイル資本を使って大きくなったクラブです。ただし、ムダにお金を使ってきたわけではありません。一つの明確なビジョンの下でクラブを強化してきました。それが、「テクニックに長けた中盤の選手を中心にしたクラブの強化」。


このビジョンの実現を裏から支えたのが、クラブのディレクターであるスペイン人のチキ・ベギリスタインでした。彼は現役時代、FCバルセロナなどで活躍し、スペインでの人脈も豊富です。
中盤が充実した強いクラブを作るために、テクニックに優れた中盤の選手が活躍するスペインリーグに目をつけ、有力なプレイヤーを獲得してきたのです。


現在、マンチェスターシティの中心はMFのダビド・シルバ選手とトゥレ・ヤヤ選手の2人。
シルバ選手は元バレンシアの中心選手でスペイン代表。華奢な身体ではありますが、卓越したテクニックで中盤から攻撃を組み立てるだけでなく、鋭いクロス、力強いシュートと、ゲームを決定づける仕事ができる選手です。


トゥレ選手は元FCバルセロナで活躍した選手でコートジボワール代表。パワーと高さだけでなく、巧みなテクニック、さらには高い守備力まで備える異次元のプレイヤーです。


この2人を中心に、能力の高い中盤の選手を揃えた結果、マンチェスターシティでは、MFのサラリーが高くなっています。

バランスタイプ

どのポジションにも満遍なく予算を使っているタイプです。レアル・マドリードが該当します。

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お金に糸目をつけずスタープレイヤーを獲得するイメージがあるレアルマドリードですが、実態は違っていました。
6チーム平均の比率と比較してほとんど差がなかったのが、レアルマドリードです。


クリスティアーノ・ロナウドやハメス・ロドリゲス、ギャレス・ベイル、トニ・クロース、など派手なアタッカーが目を引きますが、それでも、前線の選手だけに偏ることなく、後ろの選手にもしっかりお金をかけています。


このようなバランスの良いクラブに仕上げることができたのは、クラブの意向を受け入れつつも自分の要求も通すことができる、アンチェロッティ監督の特異なキャラクターがあったからでしょう。今年のマドリーは予算だけでなくアンチェロッティ監督のマネジメントの側面からも、とても興味深く映ります。

まとめ

ヨーロッパのビッグクラブは予算規模も大きいですが、その使い方にも特徴がありました。
予算には必ずクラブのビジョンが反映していますから、予算を見ればクラブの方向性をより明確に理解することができます。
Jリーグにも、その予算の使い方で、特徴的なクラブが現れることを期待しています。
<おまけ>
最近、iphoneの異常な発熱とバッテリーの消耗が気になっていたのですが、どうやらOSのアップデートが影響しているようでした。
もう少し様子を見る必要がありますが、早期に解決できて安心しました。


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