Jリーグクラブのポジション別予算配分から、チーム作りの意図を考えます

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2014年のJリーグは、ガンバ大阪の天皇杯獲得をもって全日程が終了しました。その余韻に浸ることなく、これからは新チームの編成がスタートします。制限がある中で、どのポジションに、どれだけの予算を使ってチームを作るか。ポジション間のバランスを予算の観点から分析します。

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クラブの予算は監督→FW→MF→DF→GKの順に配分されています

まずは、下の表を見て下さい。2014年のJ1リーグ各クラブのポジション別の年俸総額を表にしたものです。

なお、年俸等のデータは以下のサイトを参考にしました
・サカマネ.net<http://www.soccer-money.net/>


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(単位:円)


年俸総額が大きい順に並べてあります。
ポジション毎に集計していますので、最後の行にある「総計」で比較すると、ミッドフィールダー(MF)にお金をかけて、ゴールキーパーは安くすませているように見えてしまいますが、これだけでポジション別の予算配分を判断することはできません。
総額による比較は、各ポジションに所属する人数の影響を受けるからです。


より正確に、ポジションごとの予算配分を把握するため、各ポジションの年俸総額をポジションに所属する人数で割った、平均年俸で比較します。

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(単位:円)


これでも、まだ分かりにくいですね。金額が大きすぎてポジション毎の比率はつかめません。
そこで、ポジション毎の平均年俸をパーセンテージを使って表します。
比率は「各ポジションの平均年俸÷各ポジションの平均年俸合計」の式で計算しています。

スクリーンショット 2014 12 14 19 19 59


これで見やすくなりました。
まず、一番下の総計でリーグ全体の特徴を見ておきましょう。
意外なことにクラブが予算を最も多く割いているのは、フィールドプレイヤーでも、ゴールキーパーでもなく、監督であることが分かりました。


しかも次に来るFWが22.25%なのに対して、監督には36.9%ですから圧倒的な差で、監督のサラリーには予算を割いていることになります。


クラブに監督は一人しかいませんから、プロのクラブで監督を経験できる人の数は極めて少数です。
一方、オファーを出すクラブとしては、人選を失敗したくないので経験者を好みます(この辺は通常の企業の採用と同じですね)。その結果、監督経験のある少数の人材を取り合うことになり、サラリーも上昇。Jリーグ、特に、J1では極端に低いサラリーをオファーすることはないので、上の表にある平均年俸もそこそこ大きな金額になるのです。


プレイヤーの方は、主力選手には高いサラリーが支払われますが、新卒で獲得した若手選手のサラリーは低く抑えられています。平均すると金額は均されてしまうので、平均年俸は小さい数字になってしまいます。


このような事情はありますが、Jリーグには、監督には十分な予算を割いているクラブが多いことは間違いないようです。


全体としての特徴は分かりましたが、全てのクラブが同じではありません。予算の配分にはクラブによる特徴も有りますので、そちらも見てみましょう。

監督重視の他にFWを重視するクラブも 一部ですが、DFやGKを重視しているクラブもあります


各クラブの予算配分の特徴をグループに分けてみていきます。

監督重視タイプ

Jリーグ全体の特徴とも一致する監督に最も多くの予算を割くタイプ
のクラブです。


スクリーンショット 2014 12 14 20 28 13


ポジション毎の平均年俸合計の30%以上を監督のサラリーが占めるクラブを抽出しています。


このタイプは、さらに次の2つに分類できます。

1.実績のある監督や海外から招聘した監督で、監督のサラリーが高いケース
2.大きなスポンサーがない小さなクラブで予算規模が小さく、選手のサラリーを低く抑えているために、監督のサラリーの比率が高くなるケース

この2つです。


上の表で言うと、ガンバ大阪から清水エスパルスまでは1.のケース。
ベガルタ仙台から徳島ヴォルティスまでが2.のケースと言えます。


2.に該当するクラブは、能力の高い選手を多く揃えることができないので、監督の手腕に期待してオファーを出しているはずです。

FW重視タイプ

「攻撃の核は得点力のあるフォワード」、ということでフォワードに予算を割くクラブもあります。


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セレッソ大阪、大宮アルディージャ、ヴィッセル神戸、の3チームです。
セレッソにはフォルラン選手、アルディージャにはズラタン選手とムルジャ選手、ヴィッセルにはマルキーニョス選手という実績のあるストライカーがいるために、フォワードの平均のサラリーが高くなっています。

DF重視タイプ

安定した守備力によって、失点を防ぎ勝ち点を積み上げるディフェンダー重視タイプです。


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横浜F・マリノスは18チーム中、唯一DFの平均年俸の比率が全体の30%を越えているチームです。
これは、中澤選手、栗原選手、ドゥトラ選手、の30歳オーバーの実績のある3選手に高いサラリーが支払われているためです。


この3選手を擁するディフェンス・ラインは強固で、2013年の横浜F・マリノスの失点は31と全体で2番目に少ない数字でした。
チームも2位に入る好成績で、サラリーにふさわしい仕事をしていたと言えます。

GK重視タイプ

守備はもちろんのこと、現代では攻撃の起点にもなるゴールキーパー。力のあるゴールキーパーで、チームに安定した守備とスムーズな攻撃をもたらすことを重視しています。


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浦和レッズです。これだけでは分かりにくいので、2つのデータと並べてみます。


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ゴールキーパーの平均年俸の比率が、浦和の次に高いのが名古屋グランパスですが、それでも15%弱。全体の平均が10%台ですから、浦和の20%を超える比率がいかに高いものかが分かると思います。


これは、浦和のゴールキーパーが日本代表にも選出された、西川周作選手であることによります。
今季、サンフレッチェ広島から移籍してきた関係でサラリーは大幅に上昇。国内のGKでは名古屋の楢崎選手に次ぐ水準になっているためです。

まとめ

各クラブの予算の配分を見ると、そのクラブの特色が分かってきます。
監督を重視クラブが多いなかで、DFやGKの充実に力を入れている
所もあり、個性があって面白いです。
今度は、海外のクラブがどのように予算を配分してチーム作りをしているかも比較してみます。
<おまけ>
真冬のような寒さですね。ランの服装を完全に冬仕様に変えました。
残された手段は、携帯カイロくらいしかないので、もう寒くならないで下さい。お願いします。

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