実務で使える決算書を読む技術 決算書作成と端数処理のルール

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決算書は、1年分の会社の取引を、金額で表現したもの。会社の規模によっては、10桁以上の金額になりますから、決算書上は一定の桁数未満が省略されることになります。その際に気になるのが、表示されない桁の端数処理。決算書作成上のルールがどのようになっているかを確認して、決算書を読む際の疑問を解消しておきましょう。

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端数処理のルールは、ありません

決算書における金額表示のルールが書かれているのは、有価証券報告書が、財務諸表等規則の第十条の三、会社法による計算書類(こちらが一般的に「決算書」と呼ばれているものです)が、会社計算規則の第五十七条1項です。


この2つの規定はほぼ同じで、次のような内容になっています。

「金額は、一円単位、千円単位又は百万円単位で表示して下さい」
(財務諸表等規則の場合は「千円単位」「百万円単位」のみ)


これだけです。


つまり、端数処理のルールはありません


ということで、端数については、「切り捨て」「切り上げ」「四捨五入」のどれを採用しても良いことになっています。


ただし、どのように処理したかについては、決算書の欄外に記載される「注記」と呼ばれる部分に明示しておくことが望ましいとされています。

「0」と「ー」の違い

決算書上の数字について、細かい点をもう少しだけ。


決算書を見ていると、希に「0」と表示されているケースがあります。


その一方で、

スクリーンショット 2015 05 02 15 29 26
(出典:三井物産株式会社 第95期有価証券報告書)

このように、金額が「ー」(バー)で表示されていることも。


この2つの間に違いがあるのか、ですが、違いはあります。


「0」は、ゼロではないものの、金額が表示単位(千円、百万円など)に満たない時に使います。


「ー」(バー)は、金額がゼロの時に使います。


厳密に決められているわけではありませんが、一般的にはこのように使い分けられていますので、知っておくと良いでしょう。


決算書の数字について細かい点を見てきましたが、このような、細かい部分を気にする感覚は、決算書を読むのに役立ちます。

決算書を読むには、きめ細かな視点と、大局を見る視点の両方が大事です

端数処理が気になって、このページを開いていただいた方の中には、決算書を読む過程で、こういったケースに疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

スクリーンショット 2015 05 02 15 18 09


これ、決算書を細かく見ていくとよくあるのですが、科目ごとに千円未満を切り捨てにしているせいで、科目の金額を1つ1つ合計した結果(105,496)と、合計欄の金額(105,497)が一致しないということがおこるのです。


初めてこのような決算書を見ると、「間違いだ」と早合点した後に、端数処理のことを教えられて恥ずかしい思いをしたりもするのですが、こういった、細かいポイントを見逃さないのは決算書を読む上で重要なことです。


決算書におかしな所(不正など)がないかどうかに気づくためには、数字の正確性や、他の項目や書類との整合性に注意を払わなければいけません。


そのためには、細かい数字の違和感に気づけるかどうかが、重要になるため、細かいポイントを見逃さない注意力や集中力が大事になるのです。


その一方で、経営分析には大きな視点で数字を見る感覚も不可欠です。


全体のボリュームに対して、どれくらいの比率を占めているか(たとえば、売上に対する利益の大きさなど)という比率分析は、全体の傾向を把握したり、同業他社との比較で自社の経営の水準がどの程度かを把握するのに役立てることができます。


つまり、決算書を読むには、正確さや整合性を見極める、きめ細かい視点と、全体の傾向や、他者との比較などで経営分析に役立てる、大局的な視点の、両方が必要になります。

まとめ

決算書上の金額について、端数処理のルールはありません。 
会社ごとに処理の方法を決めて、それを注記で明示すれば十分です。

おまけ

髪が長くなりすぎたので切ってきました。 
かなり快適な模様。

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