実務で使えるExcel入門セミナー 円グラフで強調部分を切り離したり、説明ラベルを付けたりする方法です

Excelで集計した結果をプレゼンや報告書に使う場合には、分かりやすくグラフにしてしまうのがオススメです。Excelのグラフ作成は非常に簡単で、集計結果を範囲指定して、グラフの形式を選ぶだけで完成してしまいます。ただ、できあがったグラフには必ず手を加えたい箇所が出てくるので、グラフを加工するスキルももっておきたいところ。今回は「円グラフ」の体裁を整える方法を見ていきます。

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時系列で並べるときは「折れ線グラフ」、割合は「円グラフ」を選ぶ

グラフを作成する時は、基本的なルールを事前に決めておくと、効率よく進みます。

 
Excelのグラフには様々な形式が用意されていて、便利ではあるものの、どれを使うかで迷います。

 

スクリーンショット 2015 07 30 10 28 06
 

 
私も、最初は「もっと分かりやすく」「もっと見やすく」と色々試していましたが、効率が悪く、かなり時間もかかっていたのです(ただし、色々な機能を試す時間は、Excelのスキルアップのためには必須です)。

 
そのままでは時間がもったいないので、あるタイミングで、

 
「お客様に見ていただくために使うグラフは、シンプルな形式のもの」

 
と決めたのですが、それ以降は、グラフの形式で迷うことはなくなり、効率よく進めることができています。

 
また、データの種類とグラフの種類の組み合わせも、事前に決めておくのがいいでしょう。

 
これも一般的なルールに従って、

 
・時系列:折れ線グラフ

 
・割合:円グラフ

 
・複数の対象(国別、都道府県別など)の数値の比較:棒グラフ

 
にします。

 
グラフは、自分の理解のためではなく、見る人に理解してもらうために作るので、一般的に受け入れられているルールに従う方が、より効果的に数字の意味を伝えることができるからです。

 
次に、具体的な方法を見ていきましょう。 
円グラフを強調する方法です。

 

 

 

円グラフを作成して、説明を加える&強調部分を切り離す

円グラフの作成については、経費分析の効果的な伝え方の一つとして、こちらの記事でも取り上げました。

 

 
今回は、できあがった円グラフの体裁を整える方法を見ていきます。

 
まずは、対象となる円グラフを作りましょう。

 

 

円グラフの作成

先述の通り円グラフは、「割合」を示すときに使います。

 
ちょうど、東芝のセグメント別の売上のデータが手元にありましたので、それを使って円グラフを作ります。

 
元になるデータはこちら。

 

スクリーンショット 2015 07 30 11 11 51

 
2011年以降4年分のデータがありますが、使うのは2014年3月期のデータです。

 
Excelのグラフは、

 
1.「項目」と「数値」を範囲指定

 
2.グラフを選ぶ

 
この2つで完成させることができます。

 
上のデータをつかってやってみると、まず、「項目」のセルをドラッグ(マウスをクリックした状態で引っ張る)して範囲指定して、

 

スクリーンショット 2015 07 30 11 16 19

 
次に、「数値」のセルを指定したいところですが、「項目」の行から離れています。

 

スクリーンショット 2015 07 30 11 19 03

 
このような、連続していないセルを同時に範囲指定する場合には、

 
最初の範囲指定をした後、Ctrlキーを押しながら、離れたセルをドラッグすれば、

 

スクリーンショット 2015 07 30 11 24 03

 
同時に範囲指定できます。

 
この状態で、「挿入」タブにある「グラフ」から、該当するグラフ(ここでは2Dの円グラフ)をクリック。

 

スクリーンショット 2015 07 30 11 28 00
 
すると、

 

スクリーンショット 2015 07 30 11 30 34

 
円グラフが完成します。

 
これでも十分きれいなのですが、このグラフでは、金額や割合が分かりませんし、どこを強調したいのかも分かりません。

 
ここから、さらに手を加えて、見やすいグラフにします。

 

 

説明用のラベルを表示

上の円グラフには、具体的な数値が入力されていないので、分かりづらくなっています。

 
そこで、それぞれの項目の数値が表示されるようにします。

 
円グラフのどこでも構わないのでクリックすると、

 

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画面上部に「グラフツール」が表示されるので、そこから「デザイン」タブをクリック。

 
すると、リストが表示されるので、

 
左端にある「グラフ要素を追加」をクリックして、さらに「データラベル」から「データ吹き出し」と順にクリック。

 
すると、

 

スクリーンショット 2015 07 30 11 43 10

 
このように、各項目の割合が表示されます。

 
さらに、「グラフスタイル」を使うと、

 

スクリーンショット 2015 07 30 11 49 57

 
より詳細なスタイルの変更が可能です。 
既にスタイルは用意されているので、そこから選ぶだけでグラフの体裁を整えることができます。

 

 

強調部分を切り離す

つぎは、グラフの中にある1箇所を切り離して強調する方法です。

 
まず、円グラフの中にカーソルを合わせてクリック。

 

スクリーンショット 2015 07 30 11 53 06

 
これが、円グラフの全ての要素が選択された状態。 

 
ここからさらに、グラフの中で強調したい項目にカーソルを合わせてクリック。

 

スクリーンショット 2015 07 30 11 56 25

 
こんどは、カーソルを合わせた部分だけを囲むように、水色のドットが表示されます。

 
これで、強調箇所だけが指定されました。

 
この状態で、ドラッグすると、

 

スクリーンショット 2015 07 30 12 02 13

 
そして、

 

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きれいに切り離すことができました。

 

 

 

折れ線グラフ、棒グラフで実数を確認した後で、中身を円グラフで示すのが効果的

最後に、円グラフの使い方について少しだけ。

 
報告書やプレゼンの資料に円グラフを使う時は、実数を示すデータとグラフを示したあとに、持ってくるのがオススメです。

 
たとえば、折れ線グラフで、全体の金額の推移を時系列で示した後で、

 

スクリーンショット 2015 07 30 12 10 06

 
その詳細を示すデータとして、円グラフで割合を表示すると、

 

スクリーンショット 2015 07 30 12 11 25

 
具体的な数字の根拠があるために、データの信頼性が高まり、さらに、説明とそれにともなう数字の流れがスムーズで、読み手に伝わりやすくなるからです。

 
いきなり円グラフが出てくると、どの数字が根拠になっているのかが分かりづらいので、説明の流れを踏まえて、配置するようにしましょう。

 

 

 

まとめ

Excelで円グラフを作るのは簡単ですが、デフォルトのままだと分かりにくい箇所があります。 
「グラフツール」の「デザイン」から体裁を整えたり、強調箇所を指定して切り離したりすることで、分かりやすいデザインにすることができます。

 

おまけ

グラフの選択や具体的な修正の仕方は、Excelセミナー(応用編)のカリキュラムに組み込んでいますが、実際の報告書やプレゼン資料として利用することを考えると、細部にまで気を配る必要があり、教材の制作でも時間がかかるところです。

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