世界のサッカークラブの売上はどうなってる? 「デロイト・フットボール・マネー・リーグ2016」をレビュー(前編)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

昨シーズンのフットボールクラブの売上が発表されました。
第1位を獲得したのが、スペインのレアル・マドリー。
前年から約50億円増えてその額なんと、790億円

スペイン経済の危機が叫ばれて久しいですが、フットボールクラブ
については、別の国に存在しているかのような活況ぶりです。

スポンサーリンク
自動サイズレスボンシブ

「デロイト・フットボール・マネー・リーグ」2016年版が公開

今年も「デロイト・フットボール・マネー・リーグ」が公開されました。

「デロイト・フットボール・マネー・リーグ」は、
監査、会計、税務、コンサルティング、等の専門サービスを、
世界規模で提供しているデロイトが、

サッカークラブの売上の詳細をまとめて公開している
資料のことです。

「さすが、グローバルファームのデロイト。
サッカークラブの情報まで手に入れられるのかー。」

と感心された方もいるかも知れませんが、
2015年版の「デロイト・フットボール・マネー・リーグ」を見てみると、

We have used the figure for total revenue extracted
from the annual financial statements of the company or group in respect of each club, or other direct source
ー私たちは、各クラブやクラブが所属するグループの財務諸表・他の直接的な情報源から得た、売上の数字を使っていますー


との記述があり、私たちでも見ることができる公開情報を基にして
この資料が作られていることが分かります。

(引用文中にある”annual financial statements”は、毎年多くのクラブのサイトで公開されます)

各クラブのサイトを調べれば、私たちでもクラブの売上を知ることができるわけですが、
それをまとめるのは、かなり面倒なことです。

「デロイト・フットボール・マネー・リーグ」は、売上上位20クラブを、
ランキングにした上で、前年との比較分析を加えているのが特徴。

これを見ると、


「世界のフットボールクラブが何でお金を生み出しているのか

がよく分かります。

フットボールの世界の売上は伸びている

早速、「デロイト・フットボール・マネー・リーグ」で公開された、
売上上位20クラブを見てみることにしましょう。

スクリーンショット 2016 01 23 13 40 19
(出典:Deloitte Football Money League 2016)


注)単位は、「百万ユーロ」と「百万円
  為替レートは年間の平均レート(TTM)です。ただし、フットボールはシーズンが2年にまたがるので、
  各年の平均レートを足して2で割って簡易的に求めた平均レートを使っています。


前年比で変化の大きいクラブについて、色づけしています。


まずは、一番下のTotalの行を見ていただきたいのですが、
売上上位20クラブ全体で、昨年の売上と比較すると、
+5億3千万ユーロ+869億円と、大きく増えているのが分かりますね。

これを見るだけでも、フットボールの世界はビジネスとして、
未だ成長期にあることが分かります。

売上世界一の座はレアル・マドリー

次に個別に見ていきますが、売上第一位は約790億円(5億7千7百万ユーロ)
スペインのレアル・マドリー

「昨シーズンと変わらず」と言うことになりますが、過去を振り返ると、
「2004-2005シーズン以来11年連続の売上No1」と言うことになります。

ちょうど10年前にあたる2005-2006シーズンのデータを見てみると、
その年の売上は2億9千2百万ユーロですから、
この10年で売上を約2倍に伸ばしたことになります。

レアル・マドリーの強さは、今も昔も変わりませんが、
その要因の1つに、「ビジネスでの強さ」があることは間違いないでしょう。

売上2位は FCバルセロナ

売上第二位は、約770億円(5億6千万ユーロ)で、
同じくスペインのFCバルセロナです。

昨年は売上が3位だったバルサ(FCバルセロナの略称)ですが、1年で2位の座を取り返したことになります。

その理由は、

UEFAチャンピオンズリーグ
リーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)
コパ・デルレイ(スペイン国内のカップ戦)

の3つのタイトルを獲得したことによります。

特に、UEFAチャンピオンズリーグの優勝は大きく、
この大会は次のように賞金が決められていて、
勝つことによって、どんどんクラブにお金が入る仕組みになっているのです。

参加賞金:1,200万ユーロ(約15億円)
グループリーグの勝利:150万ユーロ(約2億円)
決勝トーナメント進出:550万ユーロ(約7億円)
準々決勝進出 600万ユーロ(約7億7千万円)
準決勝進出 700万ユーロ(約9億円)
準優勝:1050万ユーロ(約13億5千万円)
優勝:1500万ユーロ(約20億円)


優勝するとだいたい50から60億くらいのお金が入ってくることになります。

ただ、この大会の収入はそれだけでは終わりません。
テレビの放映権料スポンサー料もクラブに分配されるのです。

この大会に出るか出ないかでクラブの売上は大きく違います。
そこで勝ち続けたバルサの売上は、今年大きく伸びることになりました。

バルサと同じように、UEFAチャンピオンズリーグに出場することで、
売上を伸ばしたのがリヴァプール

リヴァプールは5年ぶりにUEFAチャンピオンズリーグに参戦したものの、
グループリーグで敗退してしまうのですが、それでも、売上を大きく伸ばしたのです。

”チャンピオンズリーグ効果”恐るべし。

アーセナルはスポンサー収入の増加による売上増加

「勝つこと」で売上が増えていくことは、何となく分かる気がしますが、
それ以外の理由で大きく売上を伸ばしたクラブもあります。

それが、アーセナル

アーセナルは、イングランドのプレミアリーグに所属する強豪。

プレミアリーグでもUEFAチャンピオンズリーグでも、
優勝はできないものの安定して良い成績を残しているクラブです。

なので、逆に言うとプレミアリーグやチャンピオンズリーグで、
”勝つ”ことによる売上は余り変わらないんですよね。

それでも、2014-2015シーズンで大きく売上を伸ばしたのは、
スポンサー収入が増えたことによります。

2014-2015シーズンの売上の伸びは77百万ユーロですが、
その85%はスポンサー収入の増加によるものでした。

特に、キット・スポンサー(ユニフォームなど試合で使う用具を支給するスポンサー。
用具の支給に加えてスポンサー料も支払います)
であるPUMAと複数年の大型契約を
結んだことで、売上を伸ばすことになりました。

ACミランは絶賛苦戦中

フットボールがビジネスとして大きく伸びている中で、
その波に乗れていないクラブがあります。

それが、イタリアのACミラン

サッカーに詳しくない方でも「ACミラン」の名前を知っている方は、
比較的多いのではないでしょうか。

90年代には、世界中のスターが集まる強豪クラブとして、
数々のタイトルを獲得してきましたが、今は大きく事情が違っています。

イタリアのフットボール自体が、八百長問題やスタジアムの危険性の問題、
イタリア経済の不調などの影響で、ヨーロッパの中で相対的に力を落とす中、
ACミランもその波に飲み込まれて、現在は低迷しています。

2000年以降、15シーズンで国内リーグ(セリエA)優勝が2回だけ。
UEFAチャンピオンズリーグでの優勝2回は光りますが、
ここ2年はチャンピオンズリーグへの出場すらできていません。

このように、ACミランが売上で苦戦しているのは、
フットボールで勝てなくなったことが大きな理由です。

”勝つためにはお金がいる”

でも、

”お金を得るには勝たなければいけない”

と「鶏が先かたまごが先か」と言った感じですが、
なんとか勝つための体制を作り上げないと、このままズルズル
ポジションを下げる可能性があります。

まとめ

フットボールの世界はまだまだ成長を続けていて、
その伸び率も高いです(上位20クラブでは約9%)
特に、賞金、放映権料、スポンサー収入が大きな柱になっています。

おまけ

長くなりすぎたので「前編」「後編」に分けることにしました。
疲れたなぁ。

スポンサーリンク
自動サイズレスボンシブ
自動サイズレスボンシブ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする