LCCの値段とリスクの関係

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ジェットスタージャパンに乗って松山へ行ってきました。国内LCC(Low Cost Carrier)に搭乗するのは初めてでしたが大きなトラブルもなく戻ってきました。驚くべき低価格で運営されているLCCですが、一方で安全に対するリスクの不安は拭えません。その原因は知らないからです。LCCのリスクについて調べてみました。

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国内線LCCのシェアは7.5%

日本のLCCの現状を確認しておきます。現在日本国内を飛んでいるLCCはピーチ、ジェットスタージャパン、エアアジア、の3社。

Peach
(出典:Peach Aviationオフィシャルサイト)

スカイマーク、エアドゥ、ソラシドエア、なども該当しそうですが、各社LCCではないとの立場をとっていますので一般的には含まないと考えられています。上記の3社はいずれも2012年に就航していますので国内LCCの本格的なスタートは2012年からということになります。2014年3月現在でシェアが早くも7.5%で今後も拡大が見込まれていますから2015年度には10%に届くと予想されています。LCCの特徴はその料金。私が利用したジェットスタージャパン成田ー松山便が4,690円。JALの羽田ー松山便の最安料金が15,100円(チケットサイトによる)、東京ー松山の夜行バスでも最安値で8,900円ですから、その安さが際立ちます。

安さの秘密はサービスの切り売りと生産性の高さ

ANAやJALと同じ方法でここまでの低価格は実現できません。そこには既存の航空会社にはないやり方が採用されています。最も分かりやすいのはサービスが切り売りされていること。私が搭乗した成田ー松山便の料金も規定の手荷物と搭乗者だけの料金です。他に手荷物を預けたり機内で飲み物を頼んだりすればその分お金がかかりますし、座席の設定も細かく別れていてグレードの違う座席に座るためには支払いが必要です。既存の航空会社は言ってみれば全てのサービスをセットにした一つの商品だけをお客さんに売っているので、セットの料金を払うしか搭乗できない仕組みになっています。LCCはサービスを細かく分けてそれぞれに値段をつけていますのでサービスを買わなければその分安く乗れるのです。

Jetstar otions
(出典:ジェットスター オフィシャルサイト 各種オプション料金が発生します)

もう一つLCCが安い理由として飛行機の稼働時間の長さがあります。飛行機は一度フライトを終えると機内清掃や整備に入って次のフライトの準備をします。LCCではこの時間を短くして飛行機が飛べる時間を長くしています。同じ値段で買った飛行機なら、長く飛べた方が多くお客さんを乗せられますから、料金を安くしても利益を出せるという仕組みです。

安くする工夫が結果的に安全にもつながっていた

サービスの切り売りはいいとしても生産性を高めるということは、運航の余裕を奪うことにもつながり安全へのリスクを高めるのではないかという不安があります。LCCの安さは安全を犠牲にして成り立っているのでしょうか。
じつは、LCCの安さにはもう一つ大きな理由があります。それは利用している機体の種類が一つしかないということです。パイロットとして飛行機を扱うには免許が必要ですが、この免許は一つではなく機種ごとに交付されます。機種が一つしかなければ、その免許を維持するための訓練費用が低く抑えられます。また航空会社は機体整備のために飛行機の部品をストックしていますが、機種が一つなら予備の部品の種類が少なくてすんでその分整備にかかる費用も少なくてすむのです。
このように安さを生み出す機種の単一化ですが、それが安全にも貢献しています。それは同じ機種に長く触れることによって、パイロットのスキル向上が図られているからです。2000年から2010年までに起きた大きな航空機事故の54%はパイロットエラーによるものです(出典:杉江弘著『危ういハイテク機とLCCの真実』)。

Dangerous high technology

しかもこのパイロットエラーには新しい機種に搭載されたシステムを上手く使いこなせなかったことが含まれています。つまり、安全のために導入されたシステムも使いこなせなければ事故につながってしまうと言うことを証明しています。LCCで使われている機体は最新のものではなく一世代前の機種です。その上搭乗回数と時間が確保されて高い技術を誇るパイロットが操縦する飛行機ですから、航空機事故の半数以上を占めるパイロットエラーの確率は低くなると考えられます。

リスクも当然指摘されています

それでもLCCの安全に対するリスクはあります。前出の杉江氏の指摘にありますが、日本のLCCの場合待遇がよくないことから、パイロットのプロフェッショナルとしての意識が低下する可能性があること。これからパイロット不足の時代に入り、自社でパイロットを養成する事になったときにANAやJALで鍛えられてきたパイロットと同等の技術を持つ人材を輩出できるか、といった点です。いずれも構造的な問題でありこれをクリアするには多大な時間と労力が必要となりそうです。

まとめ

安全に対する不安がきっかけでLCCを追いましたが、最後はビジネスモデルの面白さに興味が沸きました。もっと深く見ていきたいと思います。
<おまけ>
ジェットスタージャパンに乗って一番驚いたのはCAさんのネームプレートです。ファーストネームだけで姓はなし。大人の女性だったのですがErikaと書かれてありました。インターナショナルスクールの入学式みたいで面白かったです。

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