2014年度 Jクラブ個別情報開示資料公開! J1リーグの決算書の数字とマンチェスター・ユナイテッドの数字を比較して、世界との距離を考えます

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Jリーグでは各クラブの決算書を公開しています。タイミングとしてはかなり遅いですが、昨年度の決算書がようやく公開されましたので、J1リーグの現状を、数字の面から見ていくことにします。

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J1リーグで最大のクラブの規模は、売上高約58億円

Jリーグのクラブの名前をいくつか挙げられる方でも、そのクラブがどれくらいの規模で運営しているかを知っていらっしゃる方はあまり多くないのではないでしょうか。


クラブの大きさを測るのに、何を基準にするかは難しいところですが、クラブを一つの会社と考えれば(実際に株式会社として運営しているクラブがほとんどです)、その取引規模を示す売上高で比較するのも理にかなった方法です。


2014年のJ1リーグで、最も売上が大きかったクラブは、浦和レッズ。


一方、世界のフットボールクラブで最も売上が大きいクラブと言われているのが、イングランドのプレミアリーグに所属しているマンチェスター・ユナイテッド。


両者を比較してみると、

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(出典:2014年度(平成26年度)Jクラブ個別情報開示資料、MANCHESTER UNITED annual report)


こんなにも大きな差が。


ならば、J1リーグの18クラブの売上を、全て合わせた金額と比べると、


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くっ、これでもまだ全然ユナイテッドに届きません。


具体的な金額で見ておきましょう。

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1位の浦和レッズが約58億円、J1合計で約590億円。 
対して、マンチェスター・ユナイテッドは、浦和レッズの14倍、約830億円の売上を誇っています。


恐るべしプレミアリーグ。


内訳を見てみると、

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(浦和レッズの「放映権料」は、放映権料を含む”Jリーグ配分金”の金額をベースにしています)


スポンサー収入の割合は、40%でほぼ同じですが、入場料収入と放映権料の割合に違いがあるのが分かります。


今後、Jリーグが規模を拡大するためには、入場料収入を落とすことなく放映権料の割合を高めるような戦略が必要になりそうです。

J1リーグで最も多かった人件費の額は、約20億円

フットボールクラブの強さの源は、選手の能力。


能力の高い選手はサラリーも高くなりますから、たくさんサラリーを払えるクラブ、言い換えると、人件費を多く使えるクラブが強くなる傾向にあります。


2014年のJ1リーグで、最も多く人件費を使ったクラブは、柏レイソル。


そして今、世界のフットボール界で、人件費をたれ流し、選手を爆買いしているクラブと言えば、マンチェスター・ユナイテッド!(2014年に選手獲得のために使った金額、なんと、1億5150万ポンド。およそ290億円です!)。


両クラブの人件費を比較してみると、

スクリーンショット 2015 07 26 4 25 11


全く、歯が立ちません。


さらに、J1リーグの全18クラブの人件費を、全て合わせた金額と比べると、

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やっぱり、全く歯が立ちません。


端的に言うと、これが世界との差と言うことになるでしょう。


プレミアリーグでは、マンチェスター・ユナイテッドと並ぶようなクラブが4つはありますから、その規模にふさわしい選手を世界中から集めている訳で、リーグとしての競争力もハンパないと言うことです。


具体的な金額を見ておくと、

スクリーンショット 2015 07 26 4 38 14


1位の柏レイソルが約20億円、J1リーグ全体の合計が約270億円。 
それに対して、マンチェスター・ユナイテッドは、約520億円で柏レイソルの25倍、J1リーグ全体の約2倍です。


やはり世界は凄い、凄すぎます。


ただ、「全く違う世界の話だから」と簡単に突き放すことはできません。ヨーロッパのフットボールなら、TVやネットでリアルタイムで見られますし、その気になれば現地に出かけて、生でスター選手のプレーを見ることもできます。


現在は、日本で生活していても、Jリーグを通り越して、いきなりプレミアリーグのファンになることも十分考えられる環境ですから、Jリーグとしても、世界を意識してリーグを発展させることを考える必要があるでしょう。


”マンチェスター・ユナイテッド”ではなく、”浦和レッズ”を、”ウェイン・ルーニー”ではなく”工藤壮人”を応援する理由を、積極的に提供していかなければいけません。

人件費を増やすには、結局売上を伸ばすしかない

ここまで見てきたように、これからJリーグが少しでも世界に追いつくには、積極的な投資(より多くのお金を人件費に使うということです)が必要です。


ただし、投資には元手が必要ですし、クラブの存続を考えれば、無理な資金調達も慎まなくてはいけません。


となると、元手として考えられるのは毎年の売上。


やはり、売上を増やすことで投資のための資金を得ることを考えるべきでしょう。


では、Jリーグ全体の売上がどうなっているかというと、

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実は、全く成長していないのです。


2008年以降、どんどん売上が減少して、2011年に底を打ったものの、2008年の水準には未だ回復していません。


Jリーグの今後の発展を考えるためには、まずは、リーグ全体の売上を増やすこと、そのためには、とにかくスタジアムに足を運んでくれるファンを増やすことに力を入れるべきでしょう。


なぜなら、先に触れた放映権料や、広告料収入なども、結局は、「試合を見たい」という人が増えた結果として、見込める収入だからです。


試合を見たい人は、当然、スタジアムに足を運びますから、やはり、そこに力を入れることが、売上を増やす全ての始まりになります。


ただ、試合自体の楽しさだけで、スタジアムへ人を呼ぶのには、限界があります。


サッカーに詳しくない人にとっては、その面白さが伝わりづらいからです。


そんなサッカーに詳しくない人でもスタジアムに呼べる可能性があるとしたら、それは、スタジアム自体に魅力があるとき。


試合の楽しさとスタジアムの魅力で、ファンを増やしていければ、Jリーグが成長していく可能性はあります。

まとめ

Jリーグと世界のトップリーグとの間には、かなりの差があります。 
Jリーグが少しでもその差を縮めるためには、スタジアムに足を運ぶファンを増やすしかありません。 
専用スタジアム、お願いします。

おまけ

お客様にお渡しする経営分析の資料には、その年の数字や財務指標だけでなく、過年度のものも並べて、その推移を見ていただくようにしています。 
そうすることで、お客様ご自身で様々な点に気づいてもらえるからです。 
私が言葉で説明するよりも、スムーズに、(数字の面での)会社の現状を把握していただけるように感じています。

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