「愛媛FCよ、強くなる覚悟ができたようだな!」 会社もサッカークラブも、強くしたいなら”積み上げ”が絶対必要

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日本のプロサッカーリーグJリーグは、現在シーズンオフ。選手達は束の間の休養と、自主トレーニングに励んでいますが、各クラブは土日祝日も関係なく慌ただしく動いています。それは、12月、1月、2月が選手の移籍期間にあたるからで、来季のチームの骨格が決まる重要な時期なのです。

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サッカーの移籍事情

サッカーの世界では、選手の移籍が非常に活発です。
自分の応援するクラブで、新しい選手がどんなプレーを見せてくれるのか、クラブにどんなプラスを与えてくれるのか、想像するだけでワクワクします。

ですが、それは予算が潤沢にある大きなクラブに限った話。
予算の少ないスモールクラブにとっては、前の年に活躍した選手を大きなクラブに引き抜かれる運命にあるので、今の戦力を上積みするような移籍はなかなか難しいです。

サッカー選手の移籍には、様々な事情が絡みますが最も大きいのが、

お金(=サラリー)

出場機会

の2つ。

クラブは、前のシーズンに実力を発揮して、チームに貢献してくれた選手には、
サラリーを上げてクラブに残し、

体力や技術が衰えたり、チームのやり方に合わなかったり出場機会が少なくて不満を持っている選手を放出して、
代わりにより高い実力を持つ他クラブの選手に、現状よりも高いサラリーを提示
してクラブに加入してもらうことでチームを作っていきます。

一方で、放出された選手は、レギュラーとして活躍できる場所として、より小さなクラブ(予算の少ないクラブ)に移ります。
小さなクラブなので、それまでよりもサラリーは下がりますが、自分のスタイルに合って、
出場機会が得られるので、そこで評価されればもう一度大きなクラブへ移り、高いサラリーを得られる可能性が出てきます。
(出場機会がなければ、放出された瞬間にどこからも声がかからない可能性もあるので、
出場機会があるかどうかは、選手にとって非常に重要なのです)


ということで、選手の移籍は基本的に

大きなクラブが放出&中規模のクラブから加入

→中規模クラブが放出・大きなクラブから加入

→小規模クラブの放出・中規模クラブから加入

と言うように、クラブの大きさ(=予算)の順に決まっていきます。

スクリーンショット 2015 12 26 13 21 16

(う〜ん、まさに食物連鎖。もちろん例外はあります)


では、実際のクラブがどんな感じで変化していくか、具体的に見てみることにしましょう。

愛媛FC 選手移籍の変遷

愛媛FCは、Jリーグ2部のJ2リーグに所属するサッカークラブです。
予算規模で言うと、J2に所属する22クラブ中19番目
紛う事なきスモールクラブです。

と言うことは、上の説明で行くと

○愛媛FCで活躍→大規模・中規模のクラブへ移籍

○選手の加入→・大規模、中規模のクラブから声がかからなかった選手
       ・出場機会の少ない若手選手

こうなります。

つまり、実力のある選手ほど、残留させることが難しく、流されるままにしていると、
どんどんチーム力は下降して、いずれは、降格に行き着くという、厳しい経営が強いられるということです。

実際にどんな変化があるかを見てみることにしましょう。

2013年→2014年の変化

まず2013年と2014年のスカッド(メンバー)を見て下さい

スクリーンショット 2015 12 26 10 51 50

各年度のレギュラーを比較しました。
白丸(〇)で示した選手が新加入選手です。

この2013年のオフはもうメチャクチャ。
前年のレギュラー11人中、残ったのはたったの4人

しかも、チームの得点王2位のフォワード、
守備の中心だったディフェンダー、
さらには正ゴールキーパーまで。
攻撃と守備の中心を根こそぎ移籍で失ったのでした(悲)。

これは、「スモールクラブであること」では言い訳できないレベルの失態で、
クラブの力不足が明らかになった出来事でした。

シーズン前のドタバタを見て「降格も十分あり得る」と覚悟しましたが、
選手の奮闘と、大幅に入れ替わった選手をまとめ上げた石丸清隆監督(現京都サンガF.C.監督)の手腕によって残留に成功。

何とかJ2に踏みとどまりましたが、前年からの積み上げがなく、クラブの成長も感じられない焦燥感を覚えるシーズンでした。

2014年→2015年の変化

何とか残留できた2014年のオフ、クラブは新監督として木山隆之監督を招聘。
新たなチーム作りが始まりました。

スクリーンショット 2015 12 26 15 31 23

この年も5人が入れ替わりましたが、ゴールキーパーとディフェンスラインの4人は残留。
さらに、中盤から前線にかけては、ある程度実績のある選手が加わることになりました。

そして結果は、前年の19位から大きく躍進して5位。
J1昇格プレーオフにも初めて参入するなど、歴史的なシーズンを経験することになったのです。

素晴らしいシーズンを送った愛媛FCですが、”小さなクラブ”であることは、去年も今も変わりありません。
「活躍した選手は引き抜かれる」のが運命です。

それに、主力として戦ってくれた選手には、ローン(レンタル移籍)で加わってくれた選手も多く(瀬沼優司選手、内田健太選手、藤田息吹選手、安田晃大選手、白井康介選手など)1年で元のクラブへ帰るのが基本で、

さらに、愛媛FCには、毎年「選手を大量に放出してきた」実績があります。

流れに任せるなら、このチームは解体して、(またしても)1からやり直しです。
このシーズンオフ、愛媛FCがクラブとしてどのように動いたかというと…、

2015年→2016年の変化

現時点で所属が確定している選手による、予想スカッドです。

スクリーンショット 2015 12 26 15 56 14

んっ、全然変わってない??
いや、データの更新ミスじゃないですよ。本当にこうなんです。


2015年にローンで加入してくれた選手とは、所属元のクラブと交渉してパーマネント
(完全移籍=所属クラブを移すこと。通常の移籍と考えて下さい)にして契約を結びなおし、
パーマネントに応じてもらえなかった選手は、ローンの延長を打診して承諾してもらい、
現所属選手には、契約延長のオファーにサインしてもらうことで、主力選手のほぼ全員を残すことができました。

これでやっと、前年からの積み上げができる体制になります。
おそらく、愛媛FCがスタートして初めてのことです。

毎年、選手の大量放出と大量加入を繰り返し、目的も曖昧なままシーズンがスタートして、シーズン終盤は「残留」が目標になり、「降格しなくて良かった」で終わってしまっていた
愛媛FC。

それが、昨年の躍進によって、クラブにも強くなる覚悟が芽生えたように思えます。
(選手の残留は、監督の力や選手の理解によるところが大きいですが。)

”積み上げ”がないとチームも会社も強くならない

”継続は力なり”とは昔からよく言われることですが、それは、組織にもあてはまるように思います。

サッカークラブを継続して見ているとよく分かるのですが、人が入れ替わると、

・勝つことで手に入れたチームの自信が失われる

・チームのやり方を理解するまでに時間がかかる
 (シーズンのスタートで出遅れる)

・選手の適性を見極めるのに時間がかかる

・せっかく築きあげた選手同士のコンビネーションが失われる

など、多くの弊害が生じます。

これは会社のような組織でも同じ事が言えて、常に社員の半分が新入社員という会社では、とてもお客さんに満足してもらえるような商品やサービスを提供することはできないのは、すぐに理解できるでしょう。

組織としての強みを発揮するためには、分業によって特定の作業を掘り下げて行うことで、担当者が腕を上げたり、作業の効率がよくなったりすることが大事で、その上で、
メンバーがスムーズに連携できるような、つながりを作り上げることが欠かせません。
そのためには、”仕事を通じて共有する時間”がある程度必要になります。。

ですが、常に人が入れ替わると、仕事の腕も上がらず、メンバーの連携も上手くいかないので、会社が単なる非効率な”人の集まり”になってしまうのです。

上手くいっていないところは、人を入れ替えることで改善させることを考えるべきですが、
一方で、強くなるためには時間をかけて”積み上げる”ことも必要。

それができる体制が整っているチームや会社は、組織として非常に強くなりますから、強い組織にすると決めたらそこを目指すしかないですね。

まとめ

強いチームを作るためには、”積み上げ”ができる体制を整える必要があります。
「予算がある」っていいなぁ。

おまけ

INTER FM897で放送されていた「桑原茂一のPirate Radio」が(一旦)終了。
別の形で始まるようなので、そっちに期待。

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