多忙の中で健康を維持することの限界

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先日、監査法人時代の友人と話す機会がありました。愉快でバイタリティーあふれる人でいつもはバカ話で盛り上がるのですが、この日は電話口での反応が鈍く笑いが全くありません。仕事で疲弊して話す気力すら奪われていました。

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いつもと違う

その友人は、もともとおしゃべりが大好きな人です。時間が少しでもあれば電車の待ち時間でも電話がかかってきて暇つぶしに使われることもしばしば。明るいキャラクターでいつも周囲を楽しませて場の空気を和ませてくれる存在です。仕事でもその個性は発揮されていて、依頼された仕事は脇目も振らず次々とこなしていく、高馬力のブルドーザーのような人でした(体は華奢なんですけど)。

明るくおしゃべりでせっかちでパワフルな愛すべき友人ですが、現在は監査法人を離れて大手企業で働いています。ここ2年はお互いに時間の余裕がなく共通の友人の結婚式で会うくらいで、密に連絡を取っていたわけではありませんでした。そして久しぶりに電話で話したのですが、冒頭で触れたとおり、かつての様子とは全く違っていたのです。

詳しく聞くと所属していた部署の同僚の方が以前に2人会社を離れ、さらに最近2人が体調を崩されて別部署へ移ったとのこと。それまで担当していた仕事からさらに2人分を請け負うことになり、毎日残業しても追いつかず、休日出勤も当たり前。帰宅が12時を過ぎることも多く、休みの日に休養をとっても十分な回復は望めない状態でいるようでした。

部署全体の仕事量は変わらないのに、人が減っても補充はなし。長引く不況の中で人件費の増加を悪のように扱ってきた風潮の中では、当たり前のように現れる会社の姿です。

多忙の原因は個人のスキル不足ではなく人繰りの問題

忙しさの原因をご自身のタスク管理やスキル不足に見いだそうとする方がたくさんいらっしゃいます。謙虚で責任感の強い立派な心がけだと思いますが、現在の会社で起こっている忙しさについて言えば人手不足が原因になっていることが多いです。
先述の友人の会社の例のように人が減ってもそのままで、1度でもその体制で仕事を回してしまうと、「それまでが非効率だっただけ」と評価されて「このままで何とかなる」と判断されてしまい人員の補充ができず、職員のオーバーワークが恒常化していくのです。

多忙のままでは、健康でいられない

人員不足により必然的に多忙を強いられる職場で、どこまで健康でい続けられるのか。率直に言って、無理だと言わざるを得ません。
健康でいるためには休養が必要で、休養には時間が必要です。体だけではなく頭にも休養は必要ですから仕事と仕事の間隔を空けるという意味でも時間が不可欠です。休養によって体力と気力を取り戻して新たな気持ちで仕事をするという習慣が好循環を生み仕事の成果にも影響を与えていきます。
ですが、オーバーワークの状態が続くと健康な状態まで回復しないまま、次の仕事に臨むことになりますから徐々に回復の度合いが小さくなっていき、小さな休養では体も頭も反応しなくなって限界を迎えることになります。

それでもサバイブするために

私の友人と同じような厳しい職場環境にいる方は、何とか多忙を切り抜けて健康を取り戻していただきたいです。といってもいきなりは難しいという方も多いと思いますので、今やっておくべきことをいくつか挙げてみます。

現状を知る

今自分がどの程度疲れているかを把握しておきましょう。ご結婚されている方やご家族と同居されている方は、一緒に生活されているご家族と一人暮らしの方は仲の良い友人と話してみて下さい。半年や1年前と比べて、会話の時間、口調、食欲、趣味への興味、外出の回数、休日の過ごし方など、変化はないかを聞いてみます。何らかの変化に気づくかもしれません。その上で、ご自身の疲労感を10段階の数値にして記録してみましょう。ご自身の疲労感を記録するだけでも意味はあるのですが、疲労してくると徐々にその状態になれてしまいますからできれば、ご家族やご友人との会話の中で以前のご自身の姿や感覚を思い出した上で現状の疲労度を確かめていただきたいのです。
その上で週のスタートや休日の朝にその日の疲労度を記録していきます。数字だけで構わないので継続して記録してみて下さい。疲労度を自覚することができれば、ご自身の変化に気づきやすくなりますから早期に対策を講じることができます。

普段から現状を訴える

「私は疲れています」「これ以上の仕事は受けられません」と周りの方に訴えておきましょう。多忙な職場では人に構っている暇がありませんから黙っていると大丈夫と誤解されます。それでは「先に言っててくれれば」と言われかねません。そうなる前に、もう限界は超えていますよ、と言うことを小出しにしておくのです。職場によっては言い出しづらいかもしれませんが、独り言を装って、あるいは休憩室の雑談の中で、などことあるごとにシグナルを発してしまいましょう。

休んでみる

「私がいないと他の方に迷惑が」と考える方も多いと思いますが実際にどうなるか試してみるのはどうでしょうか。いきなりだと驚かれますが、上記のように普段からシグナルを送っていれば同情こそすれ、責められることはないでしょう。休んだ後の反応が怖いと思う方もいるかもしれませんが、怖いあの人はあなたの体調など気遣いませんし、あなたの将来がどうなろうと歯牙にもかけないのではないでしょうか。そんな方に気を遣うのならば、まずはご自身の健康のことを優先して下さい。

転職や独立のために行動する

安易に転職や独立を勧めているのではありません、可能性を探るための行動を起こしましょうと言うことです。「今の職場しかない」という発想の中でいると、いかにそこで頑張るかという方向にしか考えが及びません。それが、他にも可能性があることが分かれば思考に幅が生まれてきます。働き方も多様ですし職場も様々で、場所が変わればカラーも大きく違うことは皆さんもよくご存じでしょう。そのような考えが頭にあれば、頑張る以外の選択肢も生まれますし、なにより「いざとなれば移籍できる」という安心感が前向きな行動を後押ししてくれて、結果的に今の職場環境が好転することも期待できます。
伝家の宝刀を忍ばせていつでも抜けるという余裕をもつことが状況を良い方向に導いてくれます。

まとめ

「偉そうに休めなんていってるけど、簡単じゃないんだよ」と思われた方も多いと思います。おっしゃることはよく分かります。ですが、これは私自身の経験を踏まえた提案です。
個人的な話になりますが、会社勤めをしている頃、ストレスを抱えながらずっと我慢だけしていた結果、体を壊したことがあります。その後回復までに多くの時間とお金を使い、周りの方にも心配と迷惑をかけることになりました。ここで支払ったコストはとても「良い経験」で済ませられるようなものではなく、心底後悔しているのです。

我慢することは苦しいですが、現状のままでいられるので楽でもあります。それがずっと続けば良いですがいつか限界が来ます。ならば、限界が来る前に手を打って最悪の状況だけは回避できるようにしておきましょう。
少なくとも皆さんには健康で過ごしていただきたけるようにと心から願っています。
<おまけ>
Tちゃん、元気を取り戻してまたみんなで遊びに行こう。

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